(2023年6月15~18日、東京・東京体育館)
■65kg級2位・安楽龍馬(nobitel=決勝で乙黒拓斗に0-9で敗北)「多くの方々が僕にパワーをくれて、その声援が100%、身体に浸透するくらいに伝わりました。そういうところで、すごく自信はありました。今は言葉が出てこないですね。
(お互い手負いの状態での決勝戦だったことについて)けがのことは全く気にせず、自分のことだけに集中して、全力を出し切りました。気持ちの面ではボクが勝っていたと思います。その中で少しの差…。その差が、ボクの中ではあまりにも大きいのかなと思ってしまう。その差はまだ明確に分かっていない。ただ、自分が取り組んできたことに間違いはないと思う。この悔しさは一生残り、背負っていかないといけない。これからの自分の人生の中で向き合って生きていきます」
■79kg級・阿部宏隆(水戸市スポーツ少年団=ビーチ・シンガポール大会から帰国して4日後。3位決定戦に残り、ラスト1秒の逆転で銅メダル)「がむしゃらにやりました。何が起きたのか、自分でもよく分かっていないです(笑)。ふだんの練習はあまりできておらず、小学生に教えるくらいですけど、出られる限りは出て、できるだけ抵抗するつもりです。楽しくできればいいかな。楽しくなくなったときが、出なくなるときですね」
■86kg級2位・高谷惣亮(拓大職=石黒隼士に国内では約10年ぶりの敗戦)「石黒選手は強くなっていた。うれしい限りです。今まで簡単に脚をさわらせていたけど、脚をさわらせないようにすることが自覚でき、それを実践できていることが彼の進歩だと思う。勝負の世界で(負けて)悔しくない、というのは失礼だと思うけど、あまり悔しさはない。
今回は自分が出て、若い選手の壁になること(が目的)だった。ボクを破って世界選手権に行くことが本当の世界選手権代表だと思っている。(石黒は)オリンピックの出場枠を取ってくれると思う。間違って取れないこともあるだろうけど、そうなったら、天皇杯(全日本選手権)でやり返すつもりです」
■63kg級2位・丸山千恵蔵(日体大=池田龍斗に雪辱され、プレーオフへ)「自分が優勝するつもりでいたけど、スタンドでのいいところができなくて、途中で相手にグラウンドで取られてしまった。全然ダメだった。取ったあと、前に出続ける自分のレスリングが途中からできていなかったことが敗因だと思います。今回負けてしまった課題をしっかりと修正して、2週間後のプレーオフではしっかり勝って世界選手権に出場します」
■67kg級3位・成國大志(MTX GOLDKIDS=グレコローマンへの挑戦も、準決勝で遠藤功章に黒星)「自分の一番悪いところが出てしまった。自分があまり得意でないグラウンドの下での勝負をせざるをえない状況に追い込まれてしまった。遠藤選手はうまかった。最後の最後でかわし、グラウンドで焦らないところが印象に残りました。
やはり、自分のスタイルが分かっている。見習わなければいけないと思いました。1、2試合目と同じ流れでいけたら、遠藤選手にももう少し何かができたと思う。グラウンドの守りをやってきたつもりだけど、まだ甘い部分はあった。二刀流でやることに迷いはないけど、『今日負けたからフリースタイルに行く』ということはない。全日本選手権にもグレコローマンで出ます」
■67kg級3位・清水賢亮(自衛隊=準決勝で曽我部京太郎の壁を越えられず)「去年けがをしてから思うような結果が出せず悔しい。曽我部選手とは過去に2回対戦して、いずれも負けている。次こそは勝つことを決めて毎日練習してきた。ずっとやってきたグラウンドのディフェンスがまだ通用しなかった。練習の成果を出し切れなかった。曽我部選手の技術が素晴らしかったのかなと思います。
基本的なパワーが第一。失点をなくすためにグラウンドのディフェンス力を上げ、全体的なレベルアップが必要だと思います。まだパリ・オリンピックへの希望が消えたわけではないので、12月の天皇杯で優勝できるように頑張りたい」
■77kg級2位・屋比久翔平(ALSOK=決勝で日下尚に敗れ、世界選手権の出場はならず)「昨日までは守れたけど、前回(昨年12月の全日本選手権)同様、日下選手にはしっかりと研究されて、スタンドもグラウンドも押さえられてしまった。このままだと、何回試合をしても同じような結果になる。今回の試合でそう見えた。(パリ・オリンピック出場は)他力本願になりますが、望みを持ってやっていけたらな、と思います。少しでも望みがあるのなら、それに向けて準備していくだけです」
■97kg級3位・天野雅之(中央大学職員=この春、ビーチやベルトレスリングにも挑戦)「試合続きでしたけど、コンディションは悪くなかったです。優勝を逃したのは残念。(準決勝の仲里優力戦は)やりたいことができなかったし、相手はこちらを研究していたと思う。出る以上は、最低でも表彰台には上がりたい。ベテランであっても、負けるために出るわけではない。ベルトレスリングやビーチなどの先駆者としてこれからも頑張り、若い選手にその魅力を伝えたい。いつまでも挑戦者でいたい」