(2023年7月17日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター)
■女子55kg級代表内定・奥野春菜(自衛隊=清岡もえと片岡梨乃を下し、5年ぶりのシニアの世界選手権出場へ)「自分は、たくさん得点を積み重ねることができないスタイル。強い人とやるときには、ギリギリの闘いになることが分かっていた。ポイントを取られたあとにどうするか。反対に自分が勝っていたら(相手の逆襲を)どうしのぐか。そういうことを練習で考えてやってきた。それを今回出せてよかったと思います。小原(日登美)コーチがよく『練習は試合のように。試合は練習のように』と言っています。ポイントを意識しながらスパーリングをするようにしていました。
5年ぶりのシニアの世界選手権。『ずいぶん間隔が空いた』と思うけど、前回出場してからの期間は辛いこともたくさんある一方で、すごく充実していた。歳を重ねるごとに、勝つことだけではなく、ほかにも考えることや思うことができた。充実した5年間を過ごしてきたので、あまり空いたという実感はないですね」
■女子59kg級代表内定・南條早映(東新住建=屶網さら、金城梨紗子、永本聖奈を連破して世界選手権へ)「今回はセコンドを古市(雅子)先輩にお願いしていた。古市先輩は自分が苦しいときにいつも自分のそばにいてくれる方で、すごく心強い。57㎏級のプレーオフで負けたあとも、古市先輩はずっとつきっきりでいてくれた。一緒にいるうちに少しずつ前向きになることができました。一社会人として給料をもらっている身として、マットに上がり続けることが責任だと思いました。
そうやって自分を奮い立たせることができたので、(オリンピック階級の)プレーオフ後も練習は休まなかった。気持ちの波はあったけど、練習していくうちに、応援してくれる人のためにも絶対に今回のプレーオフを制して世界選手権に行こうと思いました。(金城との試合について)アンクルホールドが返った時点で6点リードされてしまって、『もうダメかも』と思った。(ラスト1秒での逆転劇について)やるしかないと思い、力を振り絞った感じでした」
■女子65kg級代表内定・尾﨑野乃香(慶大=川井友香子と吉武まひろを下す)「(涙声で)このところ、うまくいかないことが多かった。勝つということを忘れかけたみたいな(感じになっていた)。試合後、自分の手が上がらないこと(敗北)が何度かあった。『接戦になったときに、なぜこうなってしまうんだろう?」と、ものすごく考えてしまいました。メンタルの問題なのか、それともフィジカルの問題なのか。(勝っていたときと何が違うのか)ずっと考えていました。今回、プレーオフという舞台で2勝できたことで、連勝していた頃の自分を取り戻せたのかなと思いました。なので、今回の勝利は本当にうれしい。
試合のときは、自分を信じないと何も達成できない。ネガティブな気持ちになってしまうときもあるけど、自分のことを信じないと、それが結果に出てしまう。それを10%でもなくして、自信を持って闘いたい。そういう思いで練習を重ねてやってきました」
■女子72kg級代表内定・森川美和(ALSOK=新倉すみれと進藤芽伊を連破して3年連続の世界選手権へ)「7月1日の(オリンピック階級の)プレーオフは、自分のレスリングができなくて負けてしまった。(自分では入ったと思っていた)ポイントのこととか、いろいろあったけど、チャンスをつかめない自分が情けないと思いました。結構落ち込んだりもしたけど、日体大の松本(慎吾)監督、湯元(健一)コーチ、藤波(俊一)コーチ、(伊調)馨さん、田南部(力)コーチに『まだ諦めるな』『これから何があるか分からないので、しっかりと練習するように』と言われていました。まだパリを諦めたわけではない。
世界選手権でいい結果を残して、いい形で12月の全日本選手権に臨めたらいいな、と思っています。絶対勝つと信じて(今日の)試合に臨んでいたので、勝ててよかったです。(日体大では1年先輩にあたる)進藤先輩とは、昨日も一緒に練習していました。毎日切磋琢磨して、やっています。でも、試合では『全力で倒しにいきます』と宣言していました」