2023年インターハイ個人戦・男子92kg級は、学校対抗戦を制した佐賀・鳥栖工の甫木元起が勝ち、昨年に続いて2連覇を達成。2年連続で春(全国高校選抜大会)と夏を制した。
「楽しかったです」と2連覇を振り返った甫木。苦戦した試合があったものの、全体を通じて自分の実力を出し切れたことが、その言葉につながった。苦戦した試合と言えば、個人戦の準々決勝で対戦した昨年の中学二冠王者のリボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園)戦だろう。学校対抗戦では1分11秒、11-0で快勝したものの、個人戦では第2ピリオドまでもつれ、2点を失う内容。
「力んでしまい、焦りました」とのことだが、最後はテクニカルフォール勝ちに持ち込んでの勝利。学校対抗戦と個人戦の9試合(他に不戦勝1試合)すべてにテクニカルフォール勝ちし、最短が29秒、最長が5分9秒で、平均タイムは2分6秒。総スコアは102-6とあれば、マットに上がるのが「楽しい」と言うのも、もっともだろう。
全国高校選抜大会でも、学校対抗戦の金澤空大(千葉・日体大柏)戦が判定だった以外は、個人戦を含めてすべてテクニカルフォールの快勝。4月のJOC杯ジュニアオリンピックU17でも全4試合がテクニカルフォール勝ちだった。
9月の国体にも勝って2年連続高校三冠王(JOCジュニアオリンピックを含めると2年連続四冠王)が確実と思えるが、高校入学まではずば抜けた成績を残していたわけではなく、「高校に入ってから伸びたことを感じますね」と振り返った。
高校卒業後は、昨年、大学のグランドスラムを達成した最強チーム(日体大)への進学を希望しており、さらに上を目指す予定。同大学では、“超高校級”選手として入学した西内悠人(高知・高知南高卒)や細川周(京都・丹後緑風高卒)が1年生にして早くも活躍していることもあり、「楽しみです」と言う。
その前に、昨年はインターハイとのからみで出場しなかったU17世界選手権(トルコ)へ出場。国際舞台で実力を試す。