【2023年世界選手権・展望（12）】パン・キアンユ（龐倩玉＝中国）が藤波朱理（日体大）にどう挑むか…女子53kg級

（2023年9月16～24日、セルビア・ベオグラード）

　昨年5位ながら今年のパンアメリカン選手権などを制したルシア・イェペス（エクアドル）が第1シードで、昨年優勝のドミニク・パーリシュ（米国）が第2シード、今年の欧州チャンピオンのヨンナ・マルムグレン（スウェーデン）が第3シード、昨年3位のマリア・プレボララキ（ギリシャ）が第4シード。

　だが、最も注目すべきは2021年大会優勝で、2年連続でアジア選手権も制している藤波朱理（日体大）であることに、異論をはさむ人は皆無に近いだろう。昨年は負傷によりシニアのみならずU23世界選手権も欠場したが、今年冬から春にかけて、国際大会3大会連続優勝で、全試合フォールかテクニカルフォール勝ち。国際大会に限れば、2019年2月から28試合連続で無失点。「だれが破るか」以前に、「だれがポイントを取るか」が注目される状況で、国内では東京オリンピック・チャンピオンの志土地真優（旧姓向田）を破って向かうところ敵なし。

　中国からは、2021年東京オリンピック決勝で向田真優と大激戦を展開したパン・キアンユ（龐倩玉）が挑む。昨年末に休養明けから復帰し、今年4月のアジア選手権は55kg級で優勝。7月のハンガリーでの大会では53kg級に戻して3位と、徐々に調子を戻してきた。これまでの国際大会で中国選手との対戦が一度もなかった藤波が、どう闘うか。

▲藤波朱理の進撃を止められるか、パン・キアンユ（龐倩玉＝中国）＝2021年東京オリンピック

　2017年世界選手権優勝で2021年東京オリンピック3位のバネサ・カラジンスカヤ（AIN＝ベラルーシ）が、東京オリンピック以来の国際大会に戻ってくる。登坂絵莉、向田真優を破ったことのある隠れた“日本選手キラー”。ノーシードの選手の中から藤波を破る選手が出てくるか。

シード選手（8月現在＝最終エントリーで変わる場合があります）

No.1 – Lucia YEPEZ（エクアドル）
No.2 – Dominique PARRISH（米国）＝2022年世界選手権優勝
No.3 – Jonna MALMGREN（スウェーデン）＝2023年欧州選手権優勝
No.4 – Maria PREVOLARAKI（ギリシャ）＝2022年世界選手権3位／2023年欧州選手権3位
No.5 – Iulia LEORDA（モルドバ）
No.6 – Sztalvira ORSUS（ハンガリー）＝2023年欧州選手権2位
No.7 – Karla ACOSTA MARTINEZ（メキシコ）
No.8 – 藤波朱理（日本）＝2023年アジア選手権優勝

エントリー選手（8月現在＝最終エントリーで変わる場合があります）

藤波朱里（日本）
Vanesa KALADZINSKAYA (AIN)
Elnura MAMMADOVA (AZE)
Samantha STEWART (CAN)
Diana WEICKER (CAN)
Qianyu PANG (CHN)
Nogona BAKAYOKO (CIV)
Sandy PARRA (COL)
Lucia YEPEZ (ECU)
Tatiana DEBIEN (FRA)
Annika WENDLE (GER)
Maria PREVOLARAKI (GRE)
Mia AQUINO (GUM)
Sztalvira ORSUS (HUN)
Altyn SHAGAYEVA (KAZ)
Jeongbin OH (KOR)
Vestina DANISEVICIUTE (LTU)
Iulia LEORDA (MDA)
Karla ACOSTA (MEX)
Otgonjargal GANBAATAR (MGL)
Christianah OGUNSANYA (NGR)
Roksana ZASINA (POL)
Andreea ANA (ROU)
Mama SAMBOU (SEN)
Ahinsa PORUTHOTAGE (SRI)
Jonna MALMGREN (SWE)
Tuba DEMIR (TUR)
Liliya HORISHNA (UKR)
Dominique PARRISH (USA)
ANTIM (UWW)
Aktenge KEUNIMJAEVA (UZB)
Betzabeth ARGUELLO (VEN)