サッカーの1974年ワールドカップで西ドイツを優勝に導き、「皇帝」と呼ばれた名選手、フランツ・ベッケンバウアー氏が1月7日に78歳で死去されたことに関し、世界レスリング連盟(UWW)はホームページで、レスリングのオリンピック競技存続に大きな貢献をなしてくれた“恩人”として、その死を悼み、深い哀悼の意を示した。
同氏は、世界で偉大なサッカー選手の一人とされ、ドイツの伝説的存在。2013年に国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、2020年オリンピック(のちに東京に決定)でレスリングを外す決定がなされた際、同国サッカー協会副会長だった同氏は「レスリングは長年にわたって世界の多くの国でスポーツの基幹として重要な役割をになってきた美しいスポーツ」と主張。
「レスラーの努力をサポートし、この魅力的なスポーツが永久的にオリンピック競技であるために動く。レスリングはオリンピック競技に残らなければならない」と話し、UWWのネナド・ラロビッチ会長と会談し、オリンピック競技としての存続の方策を協議。同国での署名活動を支援し、約10万人の署名が集まった(関連記事)。
UWWは同氏の努力に対し、通常は国家元首に授与するゴールデンネックレス賞を授与して努力に感謝した。ラロビッチ会長によると、フランツ・ベッケンバウアー氏は子供の頃、レスリング選手になりたいと思っていたそうだが、コーチから「やせすぎているので別のスポーツを試すように」と言われ、サッカーに取り組んだという。同会長は「彼の選択は、世界のスポーツ界にとって正解だった」とコメントしている。