米国へ遠征した高校選抜の2チームが1月15日、羽田空港に帰国した。オレゴン州チームは、全日程を終了したあと雪のため、ポートランド空港へ戻れない可能性も発生。最後のホームステイをやめて空港へ直行。かろうじて間に合い、ワシントン州チームと合流して搭乗。予定通り羽田空港に到着した。
■ワシントン州チーム・真田栄作団長(千葉・京葉工高教)の話「現地の歓迎の態勢ができていて、ありがたかったです。州のメーンの大会が、きのう開催されていて、そんな状況の中でも日本チームを受け入れてくれているわけです。日本に例えるなら、インターハイの直前に受け入れるようなもので、その場合、ここまでのもてなしができるかどうか、と考えました。
選手は、移動して急きょ試合、という状況にも対応してくれました。昔、実力差のある相手に対して、なめた態度で試合をした日本選手がいたそうですが、今回のメンバーは実力差のある相手に対しても敬意を持って試合をしてくれました。技が決まると、地元の観客から大きな拍手が沸き、いい交流ができたと思います。中田陽コーチの技術指導は、現地でもとても重宝されました。クラシック・スタイルにも通じるものがありました。
100年前のパリ・オリンピックにアメリカ在住の内藤克俊選手が日本レスリング選手として初めてオリンピックに出場したことを説明し、『アメリカは私たちの先生であること』を話し、感謝の気持ちを伝えました」
■オレゴン州チーム・熊倉伸正団長(広島・大竹高教)の話「レスリングの試合については、結果が示す通り、『負けたくない』という高い意識を持ってやってくれました。アメリカの一高校と日本選抜選手とでは、やはり日本選手の方が上ですが、それでも一、二番手を派遣するのは、外国のいいところを吸収し、日本のいいところを発信するという使命からだと思います。それを意識させました。
移動が大変でしたが、けがもなく終えることができて、よかったです。帰りの空港までは雪のためヒヤヒヤで、乗り遅れる可能性もありました。みんな寝ずに飛行機に乗りました(笑)。現地の人がとても親切に対応してくれました。その恩を直接返すことができませんが、感謝の気持ちを忘れず、別の機会に別の人にきちんと返してほしいと思います」