1951年にスタートした伝統ある日本スポーツ賞(読売新聞社制定)の2023年受賞者の表彰式が1月18日、都内のホテルで行われ、奨励賞を受賞した藤波朱理(日体大)が、大賞受賞のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表チーム・栗山英樹監督らとともに出席。今後の飛躍を誓った。
レスリング界から、各競技団体推薦によって決まる競技団体別最優秀賞を飛び越えての賞を受賞するのは、2016年に伊調馨がオリンピック4連覇を評価されて大賞に選ばれて以来。
藤波は受賞のあと、「今年の夏にはパリ・オリンピックが開催されます。小さい頃からの夢だった金メダルを必ず獲得し、多くの人の心を動かせるパフォーマンスをしたいと思います。これからも、ご支援、ご声援をいただけると、うれしいです」とあいさつ。
スポーツ界に顔の広い日本協会・富山英明会長の仲介で、ソフトボールの宇都木妙子・元日本代表チーム監督(現日本ソフトボール協会副会長)や、元女子マラソン・ランナーの増田明美さん(現スポーツ・ジャーナリスト)ら多くの有名スポーツ関係者と顔合わせ。
テレビで見ていて熱中したというWBCの栗山監督からは、「頑張ってください」と激励されたと言う。
その後、報道陣の取材に応じ、「名誉ある賞を受賞し、光栄であるとともに、気が引き締まる思いです。WBCからはスポーツの力を感じました。自分も、WBCの選手のように多くの人に力を与えられるような選手になりたいと思います」と新たな誓い。
「133」まで増えた連勝記録については、「意識してはいないけど、その数字をきっかけに、レスリングや藤波朱理という選手を知っていただけたら、うれしいです。オリンピックが半年後に迫り、わくわくしています」と話した。
レスリングの大賞受賞は、1952年のヘルシンキ・オリンピックで戦後の日本で初の金メダルを取った石井庄八(故人)、1956年にメルボルン・オリンピックで金メダルを取った笹原正三(故人=元日本協会会長)、2007・10年に受賞した吉田沙保里、2012年のロンドン・オリンピック男女日本選手団(選手13人、役員13人)、2015・16年受賞の伊調馨。
他に、1976年には高田裕司・元日本協会専務理事が、1988年にはソウル・オリンピック代表選手団が、ともにオリンピック特別賞を、2005年には世界選手権女子日本代表選手団が特別賞を受賞している。
今回は、大賞ではなく「奨励賞」。オリンピック優勝と連勝記録の更新で、吉田沙保里、伊調馨に続く女子3人目の大賞の受賞が期待される。