7月6日(土)~14日(日)にヨルダン・アンマンで予定されていた今年のU15・20アジア選手権が、「サウジアラビア・リヤド」に変更され、世界レスリング連盟(UWW)のカレンダーに掲載された。期日は7月16日(火)~24日(水)。
同国は2022年にU23とU17のアジア選手権の候補地となっていた(関連記事=最終的にキルギスで実施)。宗教上の理由により、長年にわたって女性の活動(スポーツ活動・観戦を含む)に厳しい制限をかけてきた国で、2012年ロンドン・オリンピックでは、国際オリンピック委員会(IOC)の憲章に違反するとして出場が認められない可能性もあった。
最近では女性スポーツに門戸を開けており、2022年1月には世界レスリング連盟(UWW)の女子コーチ・クリニックが行われた(関連記事)。しかし、女性が公の場に出るときには顔をブルカやスカーフなどで覆い、肌の露出を禁止する習慣は残っている。世界最大のプロレス団体WWEが大会を開催し、女子の試合をやったときは、顔は普通に出していたが、手首まで隠すTシャツと足首まで隠すスパッツを着用してファイトしていた。
サウジアラビアでU23・17アジア選手権が開催ができなかったのは、女子を開催できないから、と推測されたが、理由は明らかにされなかった。昨年10月には、ワールド・コンバット・ゲームズが行われ、グラップリング女子で平林るい(SKアカデミー)が優勝しているものの、道着を着用する「Gi」だった。
道着なしの「No-Gi」も実施され、半袖やファイトパンツ(脚を露出)姿について規制はなく、サンボ女子も脚を露出するショートパンツ(ショーツ)だったというが、オリンピック・レスリングはグレコローマンのみ実施。女子は実施されなかった。
男子両スタイルとともに女子が実施されれば、世界の女子レスリングに画期的な出来事となる。なお、同国は2034年アジア大会の開催国に決まっており、「女子レスリングはできない」という状況ではなくなっている。