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2024.02.19

【特集】日本代表選手を招へい! 離島からのオリンピック選手輩出を目指す沖永良部クラブ・大坪繁代表(国士舘大OB)

▲オリンピック代表内定選手を含めた三恵海運選手らと沖永良部クラブの選手=写真はすべて三恵海運提供

 

 離島出身のプロ野球選手で元ロッテの村田兆治さん(2022年11月死去)は、ライフワークとして離島の野球振興に力を注ぎ、私費を投入して「離島甲子園」を開催した。離島出身のプロ野球選手は意外に多く、最近ではJリーガーも目立つ。

 レスリング界でも、島根・隠岐島前高校が2年前に大学王者の指導者を採用し、トップ選手づくりに力を入れている(関連記事)。離島のキッズ・レスリング・クラブで奮戦する一人が、鹿児島市から南へ約552kmに位置する鹿児島・沖永良部(おきのえらぶ)島の「沖永良部クラブ」の大坪繁代表

 同代表は国士舘大を卒業し、京都・南京都高校で指導にあたったあと、家業を継ぐため2001年に故郷に戻った。2003年にキッズ・クラブを設立。困難を乗り越えてクラブを継続している(関連記事)。現在の部員は約15人。

 今月9~13日、パリ・オリンピックの代表に内定した日下尚(男子グレコローマン77kg級の)をはじめとした三恵海運レスリング部の合宿を引き受け、全日本トップ選手の練習の手助けをするとともに、キッズ選手に日本のトップ選手の練習を見せ、刺激を与えた。

▲全日本トップ選手の指導のもとで練習するキッズ選手

大会出場が簡単でない環境、モチベーションづくりが難しい

 参加したのは、日下のほか、アジア大会王者の長谷川敏裕(男子フリースタイル57kg級)、国体王者の吉田ケイワン(男子フリースタイル97kg級)、東日本学生選手権2位の実績を持つ吉田アミン(男子フリースタイル70kg級)の同社所属選手。他に、日下らの恩師である日体大の松本慎吾監督が、アジア大会3位の山口海輝(男子フリースタイル65kg級)と国体王者の春日井湧雅(男子グレコローマン72kg級)を連れて駆けつけた。

 少数精鋭と呼べる中での練習は息つく時間もなく、大勢の中での練習とは違ったきつさがあった様子。マット以外でのトレーニングは、もっぱら砂浜や周辺の坂道。近代的な施設がそろうトレーニング場での練習も大事だが、太陽の照りつける自然に囲まれた中での練習も、マンネリ防止のために必要。

 練習の合間には、気温20度を超える暖かさの中、海に入って心身をリフレッシュ。同島の名産品でもあるじゃがいもの収穫に挑戦し、自然のパワーをもらう合宿となったことだろう。

▲砂浜ランニングで足腰を鍛える

 大坪代表は、離島の選手は大会に出場する機会が限られ、「モチベーションをつくるのが難しい」と実情を説明する。関東や関西の選手は、多い月で2~3回は大会に出場でき、それを目標にできるが、同クラブの大会出場は全国大会と沖縄(鹿児島本土より近い)での大会に出場する程度。

 本土での大会に出場するには、子供でも10万円を超える出費となり、移動だけで1~2日は必要。簡単に出場することはできないのが実情だ。

▲沖永良部でレスリングに打ち込む選手たち

日本のトップ選手に接することでキッズ選手の気持ちが高揚

 一番近くのクラブといえば、船で約2時間かかる徳之島にあるが、コロナのため交流が止まっている。沖縄や奄美大島、鹿児島本土へ行くにしても船での長時間移動となり、飛行機なら片道2万円。他クラブとの合同練習ができる環境ではない。

 思いついたのが、日本トップ選手の合宿の誘致。三恵海運の髙田肇社長(大体大卒)とは、大学は違うが、同期生で1989年北海道国体の京都チームの監督とコーチを務めた間柄。合宿練習の招へいを髙田社長が快諾し、昨年、そして今年、キッズ選手も一緒に練習できるように2月の連休の期間中に練習場所の提供となった。

 「オリンピック選手や日本のトップ選手を間近で見るだけでも刺激になる。自分の練習の合間に、一緒に練習して指導もしてくれ、キッズ選手の気持ちが上向いています。オリンピック選手の来場は保護者も感激してくれました」と大坪代表。

▲日下尚と松本慎吾監督の“ガチンコ・スパー”を披露。キッズ選手は、ふだんは目にすることのないすごさを体験した

 離島の選手にとっては、オリンピック代表内定のニュースがあっても、遠い存在であって、必ずしも関心が向くわけではない。こうして間近に接することで、応援し、目指す気持ちになると言う。

 三恵海運の選手ほかは、合宿の最後に和泊町役場を訪れ、前登志朗町長を訪問。パリ・オリンピックへ向けての応援を受けた。それは、この島でのレスリング熱の高揚となり、沖永良部クラブ、さらには他に離島で活動するクラブの頑張りにつながる。日本レスリング界の底上げにも貢献するはずだ。

 離島出身のオリンピアンとしては、佐々木文和(1980年モスクワ=島根・隠岐島出身)、栄和人(1988年ソウル=鹿児島・奄美大島出身、現至学館大監督)がいるが、離島のキッズ・クラブ出身の選手はまだいない。離島のキッズ・クラブからオリンピック選手誕生-。その日は必ずやってくる!

▲レスリング選手の心構えを教える全日本トップ選手

▲和泊町役場を訪問。行政とのつながりは、レスリング熱につながってくれるだろう

▲キッズ選手へのサイン。一人でも多くのファンをつくることが、勝利への道

▲大坪繁代表(左は学生時代の写真)

▲大坪繁代表(左)と三恵海運・髙田肇社長(中)、同・鈴木貫太郎コーチ

 

 







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