3月22~24日にエジプト・アレクサンドリアで行われるパリ・オリンピックのアフリカ&オセアニア予選の男子フリースタイル65kg級に出場する赤澤岳(サモア)が、2月初めから続けていた母校・日大での練習を切り上げ、3月18日、成田空港から出発した。同スタイルは24日に行われる。
6年以上の歳月をかけて国籍を変え、挑む舞台。赤澤は「ここまで来た以上、やるべきことを全力でやるだけです」と決戦に挑む気持ちを話した。オセアニア選手権で負った負傷も快方に向かい、日大での練習で「多くのタイプの選手と練習を積めた。コンディションもいい」と話した。日大のレベルが高くて「自信を失ってしまうくらいでした」とも話し、サモアにいては経験できないハード&ハイレベルな練習をこなしたようだ。
出発のこの日、世界レスリング連盟(UWW)のホームページに予選のエントリー選手が発表され、同級は20選手が出場して2枠を目指す。その中には、オセアニア選手権を圧勝で優勝した元ロシアのゲオルギ・オコロコフ(オーストラリア)のほか、同70kg級優勝のパラオ選手、同74kg級2位のナウル選手(グレコローマン77kg級で優勝)も名を連ねた。
アフリカだけではなく、オセアニアにも敵がいることが分かった。それであっても、敗者復活戦のない単純トーナメント。「勝つしかない」と気を引き締めた。
日大で練習を続けていたサモアのマウラオ・ウィリー・アルフィポ(両スタイル97kg級出場)も、一緒にエジプトへ向かった。「興奮しているけど、ナーバスにもなっている」と言う。グレコローマンが先に行われるので、まず出場枠を獲得し、その後に出場する赤澤を盛り上げてほしいところだ。
サモアからは、2000年シドニー・オリンピックのグレコローマンに1選手が出場しているが、以後、出場した選手はおらず、両選手は同国として24年ぶりのオリンピック出場を目指す。