(2024年4月19日、キルギス・ビシュケク / 撮影=保高幸子)
■65kg級・清岡幸大郎(三恵海運=3試合を勝ち抜いて出場枠獲得)「決められたことはうれしいのですが、総合的に見ると課題ばかり。内容は50点くらいかな、と思います。目標はパリ・オリンピックの優勝なので…。負けることのできない一発勝負を勝ち抜けたことで、勝負強さはついて、メンタルの成長は感じます。昨年のU23世界選手権はいい経験になりました(リードしていながら逆転フォール負け)。その動画を見返して、冷静に試合に臨むことができ、最後まで落ち着いてできたんじゃないかな、と思います。
(初戦は元ロシアの選手)そんなに意識はしていなかったです。だれが来ても倒す、という気持ちでした。第1試合でいい試合ができれば、第2試合、第3試合につながると思っていました。(10-7のスコアで)もつれたところもありましたが、しっかり動けて、それがよかったんじゃないかな(微笑)、と思います。
ずっとメンタルトレーニングをやってきて、もうパリの出場権を取っていて、というか金メダルを取っている、という思いで過ごしてきました。(出場枠獲得は)当たりまえかな、という気持ちです。でも、予選に向けて、多くの人から応援を受けて、支えていただきました。自分の気持ちの中ではパリで金メダルを取るための通過点と感じていますけど、支えてもらってここにいるので、当たりまえに感じすぎず、感謝しながらパリへ向かいたい。これまでよりギアを上げて練習したい」
■86kg級・石黒隼士(自衛隊=初戦が決定戦となって、33秒の快勝)「うれしいです。不戦勝があり、(昨年世界5位の)バーレーンの選手が上がってくると思っていたら韓国の選手が上がってきたり、いい流れがありました。決定戦はその流れが出たと思います。初戦は硬くなるのが普通ですが、周りの人たちが自信を持てる言葉をかけてくれ、自分の気持ちをつくることができました。(決定戦は33秒の圧勝で)ここで決めなければ、との思いで、ワンチャンスで仕掛けました。
(合宿のとき、「多くの選手の人生を奪ったので頑張る」と話したことについて)出発の前に高谷(惣亮)さんや奥井(眞生)選手など同じ階級だった選手が声をかけてくれ、すごく力になりました。いろんな人から支えてもらっていることは感じています。闘ってきた同じ階級の選手からエールをもらえ、頑張ることができました。
パリでは、日本選手で優勝のないこの階級での優勝が目標。自衛隊では高谷大地選手(74kg級代表内定)にすごく引っ張ってもらってきました。同じラインに立てたことで、自分が高谷さんを鼓舞できるようにしたいし、高谷さんにいっそう自分を引っ張っていってもらい、切磋琢磨していきたい。自分のレスリング人生最大のヤマ場。レスリング人生をかけてパリに臨みます」
■97kg級・吉田アラシ(日大=出場枠獲得ならず)「今まで通りの試合をするつもりでした。体力が追いついていかなかったのは、練習不足なんだと思いました。負けは負けなので、それを受け止めて世界予選に向かいたい。ゾーン際で取り切れない、という課題が見つかったので、その克服を目指してやっていきたい。組み手はある程度は通じましたが、それだけではポイントは取れないので、ポイントへつなげられる技術を身につけたい」
■125kg級・山本泰輝(自衛隊=出場枠獲得ならず)「日本にはいない力強さに圧倒された、と言うか…。強いプレッシャーをかけられて、必死で耐えましたが、耐え切れなかった。攻めようと思いましたが、入るではなく、入らされるタックルになってしまって思うようにできなかった。(今は)心が折れている状況ですが、周りの人たちの応援があるので、そんなことは言っていられない。帰国してすぐに練習し、世界最終予選に向かいたい」