国際オリンピック委員会(IOC)は5月2日、今夏のパリ・オリンピックで結成する難民選手団としてアフガニスタンやシリアなど11ヶ国から過去最多の36選手が12競技で出場すると発表。レスリングでは、昨年の世界選手権・男子グレコローマン60kg級に出場したジャマル・バリザデフと男子フリースタイル79kg級に出場したイマン・マフダビの2選手が出場する。マフダビは74kg級に出場する。
両選手とも、5月9日(木)~12日(日)にトルコ・イスタンブールで行われる世界最終予選にエントリーしており、「難民選手団」の特別枠ではない出場を目指している。
戦争などの影響で母国を離れている難民は、世界で1億人を突破している。難民選手団は、2016年リオデジャネイロ大会で初めて結成され、3競技10選手が参加。2021年東京大会では12競技29選手が参加し、レスリングではイラク出身のアケル・アル・オバイディが男子グレコローマン67kg級に出場した(関連記事)。
バリザデフはイラン生まれで、2014年にトルコへ逃避。その後、小型ボートでギリシャに渡り、最終的にフランスへ移住。フランス・チームに混じってレスリング活動を再開し、2023年にフランスで行われた「アンリ・デグラナ国際大会」にフランス国籍で参加。その後、UWW認定の難民選手団として世界選手権などに参加している。
マフダビもイラン生まれで、カスピ海沿岸地域の出身。ジュニアナショナルタイトルを7回獲得するなど有望な選手だったが、2020年にイタリアへ移って亡命を申請。2023年欧州選手権から難民選手団としてUWWの試合に参加している。