6月6日(木)~9日(日)にハンガリー・ブダペストで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会「イムレ・ポリヤク&ヤノス・バルガ国際大会」の男子フリースタイルに出場する57kg級の樋口黎(ミキハウス)と86kg級の石黒隼士(自衛隊)が6月2日夜、成田空港から出発した。
湯元進一コーチ(自衛隊)は「オリンピックにつなげることが大事な遠征。結果には、さほどこだわらない」と望んだ。手の内を100パーセント出すか、ある程度隠すかは、「本人の考え次第」とし、いずれにしても本番で勝つための闘いを望んだ。
樋口は銀メダルを取った昨年9月の世界選手権(セルビア)以来の実戦。57kg級に出場するときには懸案となっている減量を「しっかりやらないとなりません」と、コンディショニングにまず力を置く。感覚を忘れることはないだろうが、約10ヶ月ぶりの減量にやや緊張気味で、「しっかり動けるような体調になるように心がけたい」と言う。ただ、今回の計量は2kg級オーバー可なので、悲愴感までは感じられない。
発表されたエントリーでは、現前の世界王者は参加しないが、「ウズベキスタン(アジア予選1位)、ベラルーシ、アゼルバイジャン(ともに欧州予選1位)などが出る。弱い選手はいない。しっかりやってきたい」と言う。
石黒は「海外の選手と多く闘うことで改善点を再確認したい」と言う。昨年の世界選手権で2位で、この階級の第一人者のハッサン・ヤズダニチャラティ(イラン)が、右肩の手術により戦列を離れていたブランクから復帰してくる。「弱点を見抜き、どこまで闘えるか試したい」と話したあと、「その(手術後の)肩でオレに勝てるのか、という気持ちで闘います」と言い直し、強気で闘うことを強調した。
今年3月に来日して自衛隊で練習した世界3位のマイルズ・アミン(サンマリノ)もエントリーしているので、闘うこともありそう。「去年のザグレブ・オープンで勝っていて、今回の自衛隊でのスパーリングで負けた。今回が決着戦。しっかり勝ちます」と気合を入れた。
同65kg級の清岡幸大郎(三恵海運)は3日、男子グレコローマン選手は4日に、それぞれ出発する。
6月6日(木) 男子フリースタイル57・61・65・70・79・97・125kg級
7日(金) 男子フリースタイル74・86・92kg級/女子50・53・57・59・72kg級
8日(土) 女子 55・62・65・68・76kg級/男子グレコローマン60・63・130kg級
9日(日) 男子グレコローマン55・67・72・77・82・87・97kg級)
※いずれも1日で1回戦~決勝を実施
【男子フリースタイル・コーチ】湯元進一(自衛隊)、湯元健一(日体大教)
【男子グレコローマン・コーチ】笹本睦(日本オリンピック委員会)
【トレーナー】野呂賢二(JSC業務委託)、【帯同審判員】本田原明(自衛隊)
【男子フリースタイル選手】
▼57kg級 樋口黎(ミキハウス)
▼65kg級 清岡幸大郎(三恵海運)
▼86kg級 石黒隼士(自衛隊)
【男子グレコローマン選手】
▼67kg級 曽我部京太郎(ALSOK)
▼77kg級 日下尚(三恵海運)