ヨルダン・アンマンで行われた2024年U17アジア選手権に出場した男子グレコローマン・チームが6月25日、成田空港に帰国した。昨年の「銅5」には及ばず、「銅2」の成績だった。
梅野貴裕監督(愛媛・八幡浜工高教)は「去年と比べるとメダルの数は減りましたが、内容は決して悪くなかった。接戦を勝てないことが多かった。スタンドではプレッシャー、グラウンドではディフェンスという課題が見え、ここをしっかり強化すれば、次はやってくれると思います」と話し、経験を積んだこれからに期待。
優勝した選手に接戦で敗れ、敗者復活戦を勝ち上がっての堤大智(岐阜・髙山西高=71kg級)は「優勝する実力は絶対にある」と感じたという。勝負の世界である以上、「結果が悪ければ(大きなことは)言えない」としながら、今後につながる銅メダル2個と総括した。
田野倉翔太コーチ(東京・自由ヶ丘学園高教)は「日本は(JOC杯の)2位選手の出場だったのに対し、海外は一番手の参加が多かった。一番手と二番手の差があったと思う」と振り返る。その中でも、優勝した選手と接戦するなど外国の一番手選手としっかり闘えていた選手もいて、「全体の底上げはできていることを感じた」そうだ。
ただ、梅野監督と同じく、「(メダルが減った)結果は結果として、受け止めなければならない。悪かったところがあったからでしょう」とも言う。メダルが減った結果を厳しく受け止め、「課題に取り組み、全体のレベルを上げていきたい」と話した。
最近の日本グレコローマンは、シニアの世界で国際大会で優勝する選手が出るなど躍進している。高校の指導者としても「誇らしい気持ちです。選手も自信をもって取り組んでいると思います」と話す。シニア奮戦の相乗効果による若手世代の頑張りを誓った。
■51㎏級3位・坂本広(東京・自由ヶ丘学園高)「優勝を目指していたので、悔しい面もありますが、(メダルを取れて)うれしい面もあります。初戦(テクニカルスペリオリティ負け)は何もできず、悔しいというより…。やることは決めていたけど、それ以上に相手が上手だった。
ただ、気持ちを切り替えることはできた。3位決定戦のインド選手は、去年負けていた相手。今年は絶対に勝たないとならない、という気持ちでした。最初のグラウンドの防御を守れた時点で、勝った、という思いでした。次は全国高校生グレコローマン選手権優勝を目標に頑張りたい」
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■71㎏級3位・堤大智(岐阜・高山西高)「まず入賞が目標だった。優勝はできなかったけれど、最低限の成績は残せたと思うので、よかった。1回戦は残り数秒で1点負けていた試合(攻めたものの、チャレンジ失敗によって2点差で黒星)。国際大会での1点差の大きさ、壁を感じました。
強い相手だったので、確実に敗者復活戦があると思い、すぐに気持ちを切り替えた。3位決定戦のカザフスタン選手は、押しの強い選手でしたが、日本チームの応援によって気持ちが上がってきて、自分のレスリングができました。投げが通用するときと通用しないときがありました。確実に決められるように技術を高めていきたい。国内の大会では常に優勝したい」