ヨルダン・アンマンで行われた2024年U17アジア選手権に出場した男子フリースタイル・チームが6月27日、フライトトラブルで1日遅れとなった女子チームとともに成田空港に帰国した。ここ4大会続いた金メダル獲得はなかったが、「銅3」を取った。
男子フリースタイルの横山太(岡山・おかやま山陽高教)は「全選手が初めての国際大会で、海外慣れしていない面がありました。タックルに入って返されることも目につき、細かい修正が必要と思いました」と振り返る。
外国選手に比べるとフィジカル面で劣っていたので、「それも強化課題になると思います」と言う。各選手には「自分の足りなかった体力や技術の向上を目指し、次につなげてほしい」と望んだ。
中田陽(三重・いなべ総合学園高教)は「全員が初の国際大会だったので、試合もさることながら、移動から戸惑う選手がいました」と話し、経験することの重要性を訴える。メダルに手が届かなかった選手でも、「勝つだけの実力はあったと思うが、外国慣れ、外国選手慣れしていなくて負けてしまった。特に重量級は」と感じたと言う。
ただ、「国内で勝てなければ世界に出る機会もないので、まず常に国内で勝てるだけの実力を目指して頑張ってほしい」と要望した。
同日に帰国した吉岡治総監督(京都・丹後緑風高教)は、先に終わった男子グレコローマンで全員が初戦負けという厳しい結果だったことについて(注=最終的に2選手が3位へ)、「国内2位の選手なので仕方ないかな、という面があるけれど…」としながら、「国内での底上げが必要」と厳しく受け止めた。
その中でも、71kg級で銅メダルを取った堤大智(岐阜・高山西高)が優勝したイランの選手と互角近い闘いができたことを評価。同選手は全国高校選抜大会優勝の選手で、JOCジュニアオリンピック決勝では不運な負け方をしており、国内1位に匹敵する実力を持つ選手。その選手がしっかり闘えているので、国内1位の選手が出場するU17世界選手権(8月19~25日、ヨルダン)に「期待したい」と言う。
また、国内のU15世代のグレコローマンへの取り組みが本格的にスタートするので「期待したい」と話した。
■48㎏級3位・松實陸斗(和歌山・和歌山北高)「勝った試合は、自分の技が通じたから勝てたと思いますけど、負けた試合は、最初からびびってしまいました。緊張してしまってウォーミングアップもしっかりできませんでした。海外でもびびることなく自分の技を出せるようにしたい。インターハイは、去年は1日目で終わったので、今年は2日目までは残りたい」
■51㎏級3位・松實海斗(和歌山・和歌山北高)「勝った試合は、自分のレスリングができましたが、負けた試合は怖がってしまって技が出せませんでした。体力負けもしていたので、今後は体力作りが必要だと思いました。次はインターハイで優勝できるように頑張りたい」
■92㎏級3位・吉田悠耶(佐賀・鳥栖工高)「銅メダルは悔しい結果ですけど、初めての国際大会なので、よかったという気持ちもあって複雑です。負けた試合は、攻めることはできても、守りが弱かったことが原因。防御の練習をしっかりしたい。この経験をもとに、国内で上を目指したい。甫木元起先輩(現日体大=同階級で2年連続高校三冠王)のような絶対的な王者を目指したい」