ヨルダン・アンマンで行われた2024年U17アジア選手権に出場した女子チームが6月27日、カタール・ドーハまでのフライトの遅延によって予定より1日遅く、成田空港に帰国した。「金1・銀2・銅5」を獲得し、2年連続で優勝選手は誕生したが、8階級を制したインドの猛威を防げず、国別対抗得点では中国の後塵を拝した。
吉岡治総監督(京都・丹後緑風高教)は「インドの強さに加え、中国が全階級で一番手選手を連れてきて、パワーのあるレスリングを展開した。日本は(国別対抗得点で)3位に入ったものの、負けるにしても接戦ではなかった負けもあった。底上げをしなければならない」と、この世代の根本的な強化の必要性を訴える。
齋藤ほのか監督(東京・安部学院高教)は「団体優勝を目指していて、各選手の『優勝したい』という思いは強く感じました。準決勝で負けて優勝はなくなっても、すぐに気持ちを切り替えて3位決定戦に臨んだ選手ばかりだったのは、すばらしい姿勢だったと思います」と、気持ちの面を評価したが、これまでは、「外国選手は力が強い」だったが、今大会ではタックルの入り方や切り方がうまいなど技術的な向上も目についたと言う。
ただ、躍進を続けるインドでも、特にすばらしい技術があるわけではなく、「技をきっちりとかけるなど(の基礎面)がしっかりしていた」と分析。それに対応した実力をつける必要があり、外国選手の技術向上を上回る技術習得の必要性を感じたようだ。
赤坂美里コーチ(千葉・野田中央高教)は「インドと中国に競り勝てない試合が多かった。競った試合で無理な姿勢からタックルに入ったり、力負けしたりがあった」と振り返る。インド選手の技術力は間違いなく上がっているそうで、「自分のレスリングをさせてもらえなかった試合が多かった」と話した。
齋藤監督と同じく、黒星に落ち込むことなく3位決定戦で頑張れる選手が多かったことは「評価したい」と話した。
■49㎏級優勝・片岡優(千葉・日体大柏高)「2連覇することを前提に挑んだ大会だったので、うれしいです。唯一、インドが出ていない階級。団体優勝を取るためにも、一戦、一戦を大事にして闘いました。決勝の中国選手は力が強かったので、自分は技術とスピードで勝負し、先制点を取れて波に乗れました。外国の選手は力が強いので、タックルに入って取るまでと返し技を気をつけました。次はインターハイで優勝が目標です」
■43㎏級2位・山本はるあ(東京・安部学院高)「銀メダルに終わったことは悔しいし、チームに申し訳ない。負けたインド選手は力が強く、自分の力のなさを感じさせられました。すべてにおいて負けていました。1から体づくりをして、パワーをしっかりつけたい。まずは国内で優勝し、今後も国際大会に出られるような体力づくりをしたい」
■61㎏級2位・吉川華奈(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)「金メダルを目指していたので、銀メダルは悔しいのですが、初めての国際大会でメダルを取れてうれしい気持ちもあります。準決勝までは自分のレスリングで攻め切って勝つことができましたが、決勝は相手のペースにのまれてしまい、自分のレスリングが何もできずに終わってしまったことが敗因です。いろんな選手との練習を増やし、どんなタイプでも自分のレスリングができるようにしていきたい。まずは国内で優勝できるように頑張りたい」