7月16日(火)からタイ・シラチャで行われる2024年U15アジア選手権に出場する男女のチームが7月14日、羽田空港から出発した。男子は昨年2人だった優勝選手数を増やすとともに、国別対抗得点で昨年の3位を上回ることが目標。女子は昨年の5階級制覇をしのぎ、インドから奪還したアジアのナンバーワンを確固たるものとすることが目標。
男子フリースタイルの伊東克佳監督(東京・グロリアクラブ)は「去年の団体3位を上回ることが目標。選手にも伝えています。一人でも多くの選手がメダルを取れるように頑張らせたい」と話した。同時に、マナー遵守に徹した団体行動を望み、規律正しい行動を求めた。
中学生のグレコローマンへの取り組みが始まっており、来年からは男子グレコローマンにも参加の見込み。伊東監督は「どのくらいのレベルなのか、しっかり見てきたい」と話した。
濱口純コーチ(全国中学生連盟)も「去年の成績を上回ることを最低の目標としたい」と話す。2018年にスタートしたU15アジア選手権も、当初は全国中学生選手権の成績で選抜したが、一昨年からは選考会を実施しての代表選出となった。それだけに、「各選手とも日本代表ということに自信と誇りを持って闘ってほしい。これからのレスリング人生に生かせる遠征にしてほしい」と望んだ。
女子の坂本涼子監督(兵庫・芦屋学園高教)は、コロナ明けの2022年の大会に参加してインドの急成長に「びっくりした」という経験を持つ。昨年は参加しなかったが、今年6月のU17アジア選手権(ヨルダン)でもインドが8階級を制して旋風が吹き荒れ、中国も国別対抗得点で日本をしのいだだけに、警戒感は強い。「どの選手も所属での練習の力を出し切って闘ってほしい」と話し、日頃の力を出し切って臨むことを期待した。
女子チームには、2016年初めまで現役を続け、全日本チャンピオンや世界選手権出場の経験のある工藤佳代子コーチ(自衛隊)が初めて同行する。自衛隊体育学校からは離れていたが、埼玉・和光クラブで若い世代の選手の指導をしていた。「指導者として海外に行くのは初めて。一緒に行く監督やコーチのやり方を見て、選手が100パーセントの力を出せるように全力でサポートしたい」と言う。
U15アジア選手権のあと、引き続いて行われるU20アジア選手権の女子のコーチも務めることになっている。選手として最後に海外に行ったのが2016年1月。8年が経てば展開されている技術は大きく変わっていることが予想され、インドのような新興国も出ているので、「学ぶことばかりだと思います。今回は、アジアのこの世代の実力を見極めたい」と話した。30代の若い女性コーチの日本代表チームへの参加は頼もしい限りだ。
大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。
7月16日(火)男子グレコローマン全階級(1回戦~決勝)=日本は参加せず
17日(水)女子全階級(1回戦~決勝)
18日(木)男子フリースタイル全階級(1回戦~決勝)
【男子フリースタイル監督】伊東克佳(東京・グロリアクラブ)、【同コーチ】濱口純(全国中学生連盟)
【女子監督】坂本涼子(兵庫・芦屋学園高教)、【女子コーチ】工藤佳代子(自衛隊)
【ドクター】飯塚哲斎(茨城県立中央病院)、【トレーナー】森田大樹(あみ鍼灸整骨院)
【帯同審判】藪中(和歌山・新宮高教)、横山悠香(大阪・大阪キリスト教短大教)
【男子フリースタイル】
▼38kg級 古澤 陸(大阪・大体大浪商中)
▼41kg級 江間大登(東京・ロータス世田谷)
▼44kg級 森藤平蔵(神奈川・KURIMORI FILM)
▼48kg級 神河勇吹(千葉・パラエストラ)
▼52kg級 薬野柑太(東京・ロータス世田谷
▼57kg級 鸙野大河(京都・京都八幡高)
▼62kg級 齊藤巧将(東京・日大ジュニア)
▼68kg級 永井琥一朗(東京・MTX ACADEMY)
▼75kg級 永田裕生(東京・MTX ACADEMY)
▼85kg級 金澤永和(千葉・柏クラブ)
【女子】
▼33kg級 佐藤莉桜(神奈川・東海ジュニア)
▼36kg級 杉林羅夢(兵庫・芦屋学園中)
▼39kg級 古市せら(千葉・野田クラブ)
▼42kg級 佐々木未桜(神奈川・NEXUS TEAM YOKOSUKA)
▼46kg級 荒川笑舞(北海道・帯広北高)
▼50kg級 寳嶋栞那(神奈川・NEXUS TEAM YOKOSUKA)
▼54kg級 小川璃苑(岐阜・中京高)
▼58kg級 粟野和夏(千葉・市川コシティ)
▼62kg級 飯田 響(埼玉・埼玉栄高)
▼66kg級 石井優奈(三重・白山ガールズ)