【日本代表】 文田健一郎(ミキハウス) 《略歴》 《JWFデータベース》 《UWWデータベース》 《国際大会成績》 |
2023年世界王者 | エントリー選手 | |
文田健一郎(ミキハウス)が2021年東京オリンピック銀メダルの雪辱を目指す。リベンジすべき相手(ルイス・オルタ・サンチェス=キューバ)は階級を上げた。代わって、昨年の世界選手権決勝で、6-11で敗れたジョラマン・シャルシェンベコフ(キルギス)へのリベンジに挑む。
2022年にも世界一に輝いているシャルシェンベコフは、この階級の第一人者と言える存在。2022年7月の「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)の決勝を負傷棄権したあと(相手は文田健一郎)、2度の世界選手権を含めて国際大会で10大会連続優勝を継続中。
今年4月のアジア選手権(キルギス)でも、全日本王者の稲葉海人(滋賀県スポーツ協会)を含めた全4試合を無失点のテクニカルスペリオリティ(VSU)で圧勝。本番前の最後の実戦として参加した6月の「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)は、さほどハイレベルの大会ではなかったが、3試合をVSUで勝ち抜いた。
2年連続の世界王者は男子で4人いるが(非オリンピック階級1選手を含む)、白星街道でオリンピックを迎える選手はシャルシェンベコフだけ。全競技を通じてキルギス初のオリンピック王者への準備は万全。
文田が2022年世界選手権で敗れたエドモンド・ナザリアン(ブルガリア)は負傷で今春のオリンピック予選に出場できず、出場枠を取れなかった。文田にはリベンジすべき相手が、もう一人いる。2019年アジア選手権(中国)で敗れたリ・セウン(北朝鮮)。
北朝鮮の方針で2021年東京オリンピックには参加せず、国際オリンピック委員会(IOC)の処分で国際舞台から離れた同国は、昨年のアジア大会で復帰。リ・セウンは鈴木絢大(レスター)に敗れたあと、世界3位のアイドス・スルタンガリ(カザフスタン)を破って銅メダル獲得。今年4月のアジア予選を勝ち抜いた。国際舞台に復帰して試合勘が戻っていれば、優勝候補の一角と考えられる。
逆に、文田へのリベンジを目指してくる選手も多い。その中の一番手と考えられるのは、2022年世界選手権3位決定戦で文田に敗れたムラド・マンマドフ(アゼルバイジャン)。昨年の世界選手権は63kg級で2位となり、今年の欧州選手権も同級で優勝。60kg級欧州王者のニハド・ママドリとの激しい国内予選を勝ち抜いての出場権獲得だ。60kg級の選手ながら63kg級でも世界2位になった実力者の存在は要注意。
昨年の世界選手権63kg級3位のエネス・バサール(トルコ)は、2023年の「ドイツ・グランプリ」(63kg級での試合)で文田が勝っているものの、5-5のスコアだったことを考えれば強敵の一人と考えられよう。元々67kg級の選手で欧州3位の実績がある。階級ダウンを乗り越えて実力を発揮してくるか。
文田が2回戦で対戦することが予想される第5シードのメフディ・ネヤド(イラン)は、2018年U23世界選手権(ポーランド)で文田が7-0で勝っている相手。だが勝負の世界、6年前の成績が当てはまるものではない。昨年の世界選手権では、準決勝でシャルシェンベコフに3-4の惜敗。実力は世界トップ級だ。
2021年世界王者のビクトル・シオバヌ(モルドバ)は、コンスタントに国際大会で上位を獲得しており、2023・24年の欧州選手権を連覇するなど実力は十分。文田は2019・23年世界選手権を含めて2戦2勝だが、シードの関係で、今大会で文田が闘うとしたら決勝での試合となる。
シオバヌに限らないが、第2・3シードのいるブロックを勝ち上がった選手は、文田とシャルシェンベコフという昨年の1・2位選手が準決勝で大激闘を展開し、心身とも消耗した勝者と決勝を闘える利がある。シャルシェンベコフ同様、シオバヌも全競技を通じてモルドバ初のオリンピック王者となる期待をエネルギーにして栄冠を勝ち取るか。
Sharshenbekov, Zholaman(キルギス) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ● | 6-11 | ○ | Sharshenbekov, Zholaman |
2023年 | ピトラシンスキ国際大会 | ○ | 不戦勝=負傷 | ● | Sharshenbekov, Zholaman |
2020年 | アジア選手権 | ○ | 4ー0 | ● | Sharshenbekov, Zholaman |
Ri, Se-Ung(北朝鮮) | |||||
2019年 | アジア選手権 | ● | 3-5 | ○ | Ri, Se-Ung |
Mammadov, Murad(アゼルバイジャン) | |||||
2022年 | 世界選手権 | ○ | 5-1 | ● | Mammadov, Murad |
2018年 | U23世界選手権 | ○ | フォール、4:36=10-1 | ● | Mammadov, Murad |
2016年 | ゴールデンGP決勝大会 | ○ | 7-4 | ● | Mammadov, Murad |
Basar, Enes(トルコ) | |||||
2023年 | ドイツGP(63kg級) | ○ | 5-5 | ● | Basar, Enes |
Ciobanu, Victor(モルドバ) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ○ | 3-1 | ● | Ciobanu, Victor |
2019年 | 世界選手権 | ○ | 12-5 | ● | Ciobanu, Victor |
Cao, Liguo(中国) | |||||
2023年 | 世界選手権 | ○ | 3-1 | ● | Cao, Liguo |
Mohsen Nejad, Mehdi Seifollah(イラン) | |||||
2018年 | U23世界選手権 | ○ | 7-0 | ● | Mohsen Nejad, Mehdi Seifollah |
Bakhramov, Islomjon(ウズベキスタン) | |||||
2020年 | アジア選手権 | ○ | VSU、3:23=9-0 | ● | Bakhramov, Islomjon |
Fergat, Abdelkarim(アルジェリア) | |||||
2021年 | 東京オリンピック | ○ | VSU、2:58=8-0 | ● | Fergat, Abdelkarim |