タイ・シラチャで行われた2024年U20アジア選手権に出場した男子フリースタイル・チームが7月25日、羽田空港に帰国した。コロナ前の2019年以来のチャンピオンは生まれたが、メダルの数は3個(金1・銅2)で前年を下回ってしまった。
馬渕賢司監督(岐阜・恵峰学園職)は、昨年まで2年連続でU20世界選手権を制していた西内悠人(日体大)が実力を存分に発揮し、日本に2019年以来の優勝をもたらしたことは「喜ばしいこと」と評価。メダルの数が少なかったのは「残念ではある」としながら、これからが勝負という高校生もいた中での成績。大差をつけられた試合ばかりではなく、点差があった試合であっても「最後に果敢にアタックにいった末の結果もあった」と、攻撃する気持ちが感じられたことを強調。「今回の成績を糧に飛躍へつなげてほしい」と望んだ。
9月初めにはU20世界選手権がスペインで開催される。当然、今回よりレベルの高い大会になるが、「アジアはレベルの高い地域」と臆することのないことを望む。JOCジュニアオリンピックで優勝した選手が参加するので、「好成績を目指して頑張ってほしい」と期待した。
チームで唯一優勝した西内は「世界3連覇を目指していました。(国内で負けて)アジアに出ることになり、減量もある中でどのくらいのパフォーマンスができるか、という大会。自分との闘いでした」と言う。決勝を含めて自分のレスリングを貫けた優勝に満足な一方、「世界へ出たかったので、悔しさの残る大会でもありました」と振り返った。
2回戦で戦ったカザフスタン選手はシニアの国際大会にも出場している選手。この選手にだけポイントを取られ、テクニカルスペリオリティ勝ちできなかった。タックルの処理がうまくできなかったそうだが、「もっと攻める姿勢を出していけば、競る相手ではなかった。もっと積極的に攻められる技をつけることが課題」とのこと。
61kg級は今回が最後。8月下旬の全日本学生選手権からは65kg級で闘う。年末の全日本選手権では、昨年優勝でパリ・オリンピック代表の清岡幸大郎(三恵海運)との闘いも視野に入れる。郷土(高知県)の尊敬する先輩だが、「勝負の世界ですから(破っての)優勝を狙いにいきます」ときっぱり。
■65kg級3位・松原拓郎(佐賀・鳥栖工高)「初めての国際大会で、びびらずに闘うことを目標にしていました。多少緊張しましたけど、先輩からいろいろ声をかけてもらい、体が動かないようなことはなかったです。1回戦では、取れるはずのところで取れなかったり、体力負けの部分がありました。今後の課題です。
メダルは絶対に持って帰りたかったので、敗者復活戦に回ることが分かった段階で気持ちを立て直し、3位決定戦は『絶対に勝つ』という気持ちで闘いました。このあとは、出場する大会すべてに優勝し、大学でのレスリングに続けたい」
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■70kg級3位・荻野大河(山梨学院大)「トーナメントを見て、1回戦に勝てば決勝に行けると思いました。それが気負いになってしまい、自分の動きがなかなかできなかった。3位決定戦では、リラックスして闘うことができ、自分の持ち味を出せました。次の機会には、気負いすぎず、リラックスして全試合闘えるようにしたい。
国際大会は2年前のU17世界選手権以来2度目で、6分間闘う国際大会は今回は初めて(U17は4分間)。闘い方が分からない部分がありました。国内で勝って(また日本代表とななり)、今回の経験を生かしたい。大学生間で通じるフィジカルの強さを身につけ、今年の全日本選手権では、まず入賞を目標に頑張りたい」