2016年リオデジャネイロ・オリンピック優勝で世界選手権を4度制しているアルトゥール・アレクサニャン(アルメニア)が2大会ぶりの優勝を目指す。2021年東京オリンピックは決勝で敗れたが、足の負傷もさることながら、納得できないコーションを受けての黒星。雪辱を期す。2012年ロンドン大会でも銅メダルを取っているので、4大会連続メダルへの挑戦にもなる。
昨年の世界選手権決勝は、ガブリエル・ロシヨ(キューバ)にラスト21秒で逆転負け。その二の舞は避けたい。ロシヨは世界チャンピオンに輝いたあと、11月のパンアメリカン大会で優勝。130kg級でオリンピック5連覇の快挙を目指すミハイン・ロペス(キューバ)との相乗効果で初のオリンピック王者を目指す。第4シードなので、アレクサニャンとは準決勝で激突となるか。
昨年の世界選手権はロシヨに敗れたが、2021年世界選手権優勝で第3シードのモハメドハディ・サラビ(イラン)が優勝争いにからむか。世界選手権のあとはアジア大会とアジア選手権を含めて国際大会を4大会連続優勝。2022年世界選手権はアレクサニャンに敗れているので、両者のどちらに対してもリベンジ戦を挑むことになる。130kg級のアミン・ミルザザデとともにイランの重量級に栄冠を引き寄せられるか。
AINの選手として出場するベラルーシのアブバカル・ハスラハノフは、昨年のU20世界選手権を制し、シニアの世界選手権でも5位に入賞した成長株。ことしの欧州選手権も3位。アレクサニャンと1-5の試合をしている。半年でどこまで迫っているか。
欧州予選を勝ち抜いた昨年の世界選手権5位のミンダウガス・ベンカイティス(リトアニア)、世界最終予選を勝ち抜いた東京オリンピック5位のアルビ・サボライネン(フィンランド)、パンアメリカン予選を勝ち抜いた今年のパンアメリカン選手権優勝のケビン・メヒア(ホンジュラス)らも上位進出の可能性はあるが、優勝候補に挙げるには、ややインパクトに欠ける。