2021・23年の世界選手権優勝のアミール・ザレ(イラン)が、アジア大会、今年1月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)、4月のアジア選手権を制して絶好調。優勝候補の一番手と考えて間違いあるまい。
イランが両スタイルを通じて最重量級で優勝したのは、2012年ロンドン大会でのコメイル・ガセミ(イラン)のみだが、当初は2位で、9年後に1位・2位選手のドーピング違反が確定しての優勝。オリンピック王者には違いないが、今度はすっきりした優勝としたいところ。(関連記事=注:UWWデータベースは変更されていないが、2021年7月12日にIOCが認定している)
2022年世界王者のタハ・アクグエル(トルコ)は、2014・15年世界選手権と2016年リオデジャネイロ・オリンピックも制している強豪。昨年の世界選手権は準決勝でザレに敗れて3位だったが、今年4月の欧州選手権でも男子フリースタイル最多となる11度目の優勝を達成。33歳になったが、衰えぬ実力を発揮している。
アクグエルの欧州におけるライバルだったゲノ・ペトリアシビリ(ジョージア)は、2017~19年の世界王者。2016年リオデジャネイロ・オリンピックは3位、2021年東京オリンピックは決勝のラスト数秒で逆転負けを喫して2位。この3年間、世界一はなかったが、世界選手権で2位、3位、2位と実力をキープ。3度目のオリンピックにかける。
昨年の世界選手権3位で、その後のパンアメリカン大会と今年のパンアメリカン選手権を制したメイソン・パリス(米国)が、東京オリンピック決勝で劇的な逆転優勝を遂げた米国のゲーブル・スティーブンソンの後を継げるか。
昨年世界5位のダニエル・リゲティ(ハンガリー)、今年の欧州選手権3位のギオルギ・メシビルディシビリ(アゼルバイジャン)、2021年東京オリンピック5位で昨年のアジア大会2位のルハグバゲレル・ムンフトゥル(モンゴル)らが、世界王者経験者らを敗れるか。