米国の複数のメディアが8月5日に報じたところによると、男子フリースタイル57kg級の昨年の世界チャンピオンで第1シードのステバン・ミチッチ(セルビア=元米国)が、ひざの負傷で手術が必要となり、パリ・オリンピックを欠場することになった。
数週間前の練習中にひざを負傷。治療しながら練習を続けたが、負傷箇所が悪化する一方で、自身のインスタグラムに「結果を出すために必要なことができなくなった。医師から『レスリングを続けたいのであれば、手術を受けなければならない』と告げられた。オリンピックへの出場を辞退し、気持ちを立て直し、手術を受ける以外に選択肢はなかった」と出場辞退の経緯を説明。
「よく考えた結果、残念ながらパリ・オリンピックには出場できないことになった。何週間も祈りを捧げた。神は、今後の私に素晴らしい人生を与えてくれるものと信じている。そのため、回復に向けて適切な措置を講じる必要がある」などと綴られている。
同選手は、セルビア人の父と米国人の母との間に生まれ、米国育ち。ミシガン大時代の2018年に全米学生(NCAA)選手権2位。父の国籍を選択し、昨年の世界選手権でセルビアの男子フリースタイル初のチャンピオンに輝き、初のオリンピック王者を目指していた。
世界レスリング連盟(UWW)が現在、代替選手を検討中とのことだが、同級は8月8・9日に行われる予定で、日程的に代替出場が可能かどうかは疑問。代替出場があってもなくても、第2シードの樋口黎(ミキハウス)が繰り上がって第1シードになることは確実。