ミハイン・ロペス（キューバ）が5連覇達成、アミート･エロル（米国）はグランドスラム……2024年パリ・オリンピック第2日（ファイナル）

　　【パリ（フランス）】2024年パリ・オリンピック第2日は8月6日、シャン･ド･マルス･アリーナで前日開始階級の男女3階級の敗者復活戦とファイナルが行われ、男子グレコローマン130kg級決勝はミハイン・ロペス（キューバ）がヤスマニ・アコスタ（チリ＝元キューバ）を6－0で破り、2008年北京大会以来、オリンピック5連覇を達成した。

▲元キューバのチリ選手を破り、5度目のオリンピック王者に輝いたミハイン・ロペス（キューバ）

　5大会連続優勝は、夏季オリンピックの個人競技では史上初。個人同一種目で4個の金メダルを取った選手は、2021年東京大会のロペスで7人目で、レスリングでは2016年リオデジャネイロ大会で伊調馨が初めて達成した。「41歳11か月」の優勝は史上最年長オリンピック王者。これまでの最年長は、1920年大会のアドルフ・リンドフォース（フィンランド）の「41歳6ヶ月12日」で、戦後では1972年ミュンヘン大会のナトリー・ロシン（ソ連）の「40歳6ヶ月0日」だった。

　また出場6度は、1908年～28年に大会の中断をはさんで5大会連続出場を果たしたジョージ・マッケンジー（英国）を上回ってレスリング界初の快挙（関連記事）。ロペスは試合後、マット上でレスリングシューズを脱ぎ、引退を表明した。

▲世界のレスリング界に不滅の金字塔を打ち立てたミハイン・ロペス（キューバ）

　女子68kg級決勝は、2022・23年世界選手権72kg級優勝のアミート・エロル（米国）が、2021年世界選手権優勝のメーリム・ジュマナザロワ（キルギス）を3－0で破った。エロルは2021年にカデット（現U17）とジュニア（現U20）の世界選手権、2023年にU23世界選手権も制しており、今回の優勝で4世代の世界選手権とオリンピックで優勝する世界の“グランドスラム”を達成。2022年の須﨑優衣に続く世界で2人目の快挙を達成した（関連記事）。

　「20歳7ヶ月5日」での優勝は、2016年リオデジャネイロ大会でカイル・スナイダー（男子フリースタイル97kg級）が記録した「20歳8ヶ月30日」の米国最年少のオリンピック・チャンピオンを更新。世界でも、2004年アテネ大会のワン・シュ（王旭＝中国）の「18歳18歳10ヶ月27日」、伊調馨（日本）の「20歳02ヶ月10日」に続く史上3位の若きチャンピオン。

　男子グレコローマン60kg級は文田健一郎（ミキハウス）が勝ち、表彰台をアジア勢が独占。3位にリ・セウン（北朝鮮）が入り、同国としては2012年ロンドン大会以来のメダルを手にした。

　各階級のファイナルは下記の通り。

▲階級を下げても強さは変わらなかったアミート・エロル（米国）。世界のグランドスラムを達成し、米国レスリング界のいくつもの記録を塗り変えた

女子

　【68kg級】＝16選手出場

　▼決勝
Amit ELOR（米国）○［3-0］●Meerim ZHUMANAZAROVA（キルギス）

　▼3位決定戦
Buse CAVUSOGLU TOSUN（トルコ）○［4-2］●Sol Gum PAK（北朝鮮）
尾﨑野乃香（日本）○［3-0］●Blessing OBORUDUDU（ナイジェリア）

男子グレコローマン

　【60kg級】＝17選手出場

　▼決勝
文田健一郎（日本）○［4-1］●Liguo CAO（曹利国＝中国）

　▼3位決定戦
Zholaman SHARSHENBEKOV（キルギス）○［3-1］●Mehdi Seifollah MOHSEN NEJAD（イラン）
Se ung RI（北朝鮮）○［VSU、1:11=8-0］●Raiber Jose RODRIGUEZ OROZCO（ベネズエラ）

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－-

　【130kg級】＝16選手エントリー

　▼決勝
Mijain LOPEZ NUNEZ（キューバ）○［6-0］●Yasmani ACOSTA FERNANDEZ（チリ）

　▼3位決定戦
Amin MIRZAZADEH（イラン）○［4-0］●Sabah Saleh SHARIATI（アゼルバイジャン）
Lingzhe MENG（孟令哲＝中国）○［5-2］●Abdellatif Mohamed Ahmed MOHAMED（エジプト）