快進撃を続ける日本に対し、世界レスリング連盟(UWW)の関心も高まるばかり。8月10日の試合後のUWWスタッフ懇親パーティーにも日本の金メダリストの参加の要望があり、男子グレコローマン77kg級の日下尚(三恵海運)と女子53kg級の藤波朱理(日体大)が参加。会場で記念撮影攻めにあった。
ネナド・ラロビッチ会長は、国際オリンピック委員会(IOC)の理事として、バスケットボールの会場でプレゼンターの仕事をこなしてから駆けつける予定だったが、この日の夜はアマチュアのアスリートたちがオリンピックのマラソンと同じルートを走る「Marathon pour tous」が開催されており、いたるところで交通規制がしかれていて移動が困難だったため断念。
しかし、須﨑優衣が参加した前日の懇親会に続いてUFC(世界最大の総合格闘技イベント)王者でもある2008年北京オリンピック王者のヘンリー・セフード(米国=下写真)や、2008年世界チャンピオンで日本の血が流れているクラリッサ・チャン(米国)、2021年東京オリンピック優勝のタマス・ロエリンツ(ハンガリー)らも参加。日本の2人のオリンピック・チャンピオンがUWWへ自らの存在をアピールするとともに、国際交流に力を注いだ。
日下は「ボンソワール(こんばんわ)、アイム・リアル・ハッピー」、藤波も「エブリワン、ボンソワール。アイ・ラブ・パリス(注=フランス語では「パリ」だが、英語では「パリス」と発音する)と、フランス語でのあいさつに続いて英語で今の気持ちをアピール。
日本の快進撃の秘密を聞かれ、日下は英語で「皆さん、サムライを知っていますか? 私達はサムライの精神を持っているからです。私達はリアル・サムライです」と日本スピリットを強調。藤波は日本語で「伝統があるからだと思います」と、答えた。
レスリングを楽しむ理由について、日下は「武器を使わず、鍛え上げた肉体と肉体をぶつけ合うところが最高です。相手を倒した時に出るアドレナリンが、たまらなくいいです」と今度は日本語で答え、最後は「アイ・アム・スーパー・ハッピー」。単独で海外遠征に行くだけあって、要所で英語をまじえてアピール。藤波は「魂と魂の闘いが、カッコいいと思うからです」と、レスリングの魅力を話した。