【パリ(フランス)】2024年パリ・オリンピック最終日は8月11日、前日開始階級の男女3スタイルの敗者復活戦とファイナルが行われ、決勝に進んだ男子フリースタイル65kg級の清岡幸大郎(三恵海運)と女子76kg級の鏡優翔(サントリー)が優勝し、大会の掉尾を締めくくった。
清岡は2022年世界選手権優勝のラフマン・アモウザドハリリ(イラン)と対戦。場外ポイントで1点を先制されたものの、テークダウンを奪って2-1と逆転。さらにテークダウンで2点を取ったあと、アンクルホールドを連続で決めて10-1して第1ピリオド終了。第2ピリオドは慎重に試合を進め、2点を取られたものの、10-3のスコアで振り切った。
同選手は、U23世界選手権の出場はあるが、シニア世界選手権には出場経験がない中での優勝。これは1964年東京オリンピックの吉田義勝(52kg級)、上武洋次郎(57kg級)以来の快挙(注=上武は1968年メキシコ大会でも世界選手権の出場経験はなく優勝しているが、2度目のオリンピックなので除く)。日本は2021年東京オリンピックの乙黒拓斗に続いてこの階級を制した。
鏡は、昨年世界3位の選手を国内予選で破って出場してきたケネディ・ブレーデス(米国)と対戦。場外ポイントで1点を争うきっこうした試合となったが、 第2ピリオド中盤にテークダウンで2点を奪取。決勝ポイントとなり、3-1で勝って金メダルを手にした。
最重量級での優勝は日本男女を通じて初めて。鏡優翔は2017・18年に世界カデット(現U17)選手権、2019年に世界ジュニア(現U20)選手権、2023年にシニアの世界選手権を制しており、3世代の世界選手権とオリンピックを制した6人目の選手となった。
全日程を終了し、日本は1964年と2021年東京大会を上回る過去最多の8階級を制し、「銀1・銅2」を獲得した。「金8」は、米国、ブルガリア、イランの各2個を大きく上回って今大会の最多金メダル数。内訳は、男子グレコローマンが「金2」、女子が「金4・銅2」、男子フリースタイルが「金2・銀1」。6階級制になってから、女子で全階級メダル獲得は初めて。
オリンピックに国別対抗得点の表彰はないが、世界選手権などの規定に合わせて順位づけをすると、男子グレコローマン=4位、女子=1位、男子フリースタイル=2位。3スタイルの合計得点は258点となり、イラン(2スタイルのみ)の184点、米国の159点を大きく上回ってトップだった。
日本選手の成績は下記の通り。男子フリースタイル97kg級は出場していない。《result》
【65kg級】清岡幸大郎(三恵海運) 優勝=16選手出場《トーナメント表》
決 勝 ○[10-3]Amouzadkhalili, Rahman Mousa(イラン)
《以下、前日に実施》
準決勝 ○[5-1]Tumur-Ochir, Tulga(モンゴル)
2回戦 ○[8-6]Rivera, Sebastian C(プエルトリコ)
1回戦 ○[VSU、2:57=10-0]Sacultan, Maxim(モルドバ)
【76kg級】鏡優翔(サントリー) 優勝=16選手出場《トーナメント表》
決 勝 ○[3-1]Blades, Kennedy Alexis(米国)
《以下、前日に実施》
準決勝 ○[4-2]Renteria Renteria, Tatiana(コロンビア)
2回戦 ○[3-0]Adar Yigit, Yasemin(トルコ)
1回戦 ○[2-0]Reasco Valdez, Genesis Rosangela(エクアドル)