(2024年8月5~8日、シャン・ド・マルス・アリーナ / UWWサイトからの抜粋)
■60kg級・文田健一郎(28歳/ミキハウス=2021年東京大会の銀メダルに続く金メダル)「今、はっきりと頭に浮かぶ一番の試合は、3年前の決勝戦です。そこからの3年間は、今まで経験したことのない厳しい時期でした。金メダルの重さは何グラムか分からないけれど、これまで獲得したどのメダルよりも重い。長い間、このメダル獲得に込めたすべての感情の重さが、首からぶら下がっているように感じます。家族がいなかったら、(オリンピックに)もう一度挑戦することはなかったかもしれません。これまで私を支えてくれたすべての人々が、この大会を特別なものにしてくれました。
日本グレコローマンにとって40年ぶりの偉業達成です。でも、正直に言うと、40年間も優勝できていないことへの残念さの方が大きいです。これからの40年間は、日本グレコローマンが大きな進歩を遂げることを願っています」
■67kg級:サエイド・エスマエイリ(21歳/イラン=東京オリンピック王者を国内予選で破って出場して優勝)「このメダルを獲得できたのは神のおかげです。レスリングをやっていれば、レスリングがいかに難しいかが分かります。この2年間は、親戚を亡くしたりして、マットから去ったこともありました。大変でしたが、すべてを捨てて、この金メダルを獲得することができました。
(グレコローマンの新星と呼ばれたことについて)大変名誉なことで、恐縮しています。もっと努力して、さらぶメダルを獲得しなければなりません」
■77kg級・日下尚(23歳/三恵海運=文田健一郎による日本グレコローマン40年ぶりの金メダルの翌日に優勝)「文田選手が世界タイトルを獲得したとき(2017年)、私は高校生でした。彼は私が常に尊敬していた選手でした。私の先輩として、私を最も引っ張ってくれました。
正直に言うと、決勝は私の作戦通りにはいきませんでした。でも、最後まで自分を信じるしかなかった。マットに上がったら、助けてくれる人は誰もいない。自分を信じて、自分がやってきたトレーニングの成果を信じて、プレッシャーをかけ続けました。優勝は夢のようです。この瞬間のために、幼い頃から厳しい時期を乗り越えてきました。チャンピオンになれてうれしい」
■87kg級:セメン・ノビコフ(26歳/ブルガリア=オリンピックを目指して2022年にウクライナから国籍を変更)「子供の頃、いつかオリンピックチャンピオンになることを夢見ていました。夢がかないました。決勝戦は私にとって非常にいい試合でしたが、昨日の(世界チャンピオンのダビド・ロソンチ=ハンガリーとの)準決勝の方が厳しい試合でした」
■97kg級:モハメドハディ・サラビ(26歳/イラン=決勝で過去4戦4敗だったアルトゥール・アレクサニャン=アルメニア=を破って優勝)「オリンピックで初の金メダルを獲得できたことを、神に感謝するし、コーチにも感謝する。とてもうれしい。決勝の相手をとても尊敬している。彼はすごい選手だが、私は彼に勝つことができた。私の生まれた市と州は、イランのグレコローマンの本拠地だ。みんな本当に喜んでくれているそうです。優勝できたことを、本当に誇りに思います」
■130kg級:ミハイン・ロペス(41歳/キューバ=IOCトーマス・バッハ会長も見守る中での5連覇達成)「私は幸せです。これは私の人生、私のレスリング・キャリアにおいて、とても重要な結果です。コーチ、チーム、母、父、そして家族全員の成果でもあります。この金メダルを獲得したこと以上に素晴らしいお返しはありません。この結果を達成するには、スポーツを愛し、仕事を愛し、自分ができうるほんの少しの努力によることを、世界に示すことができました。
(それぞれの金メダルを一言で表現するよう求められ)2008年北京は『若さ』、2012年ロンドンは『超越』、2016年リオデジャネイロは『努力』、2021年東京は『犠牲』、今回は『喜び』です。(試合後、マットでシューズを脱いで引退を表明し)引退の時が来ました。若い世代に刺激を与えるための道を大きく開いたと思います」