2024年パリ・オリンピックの女子68kg級でアミート・エロル(米国)が優勝。2021年世界カデット選手権、2021~23年U20世界選手権(2021年は「ジュニア」の呼称)、2022・23年U23&シニア世界選手権に続いてオリンピックを制し、須﨑優衣が2022年に達成した“世界のグランドスラム”に続いた。
「9度の世界一」は、須﨑の「11度の世界一」(カデット3、ジュニア2、シニア4、U23 1、オリンピック1)には及ばないが、U23にあと4回出場できるので、今後、どうなるか。
女子76kg級で優勝した鏡優翔(サントリー)は2017年にカデット、2019年にジュニア、2023年にシニアでそれぞれの世界選手権を制しており、エロルとともに3世代の世界選手権とオリンピックを制した選手となった。時間の関係で、エロルが6人目、鏡が7人目の選手。
ただ、今年のU23世界選手権の日本代表は内定済み。鏡は来年、24歳になるので、残念ながら“世界のグランドスラム”は挑むことができない。2019年U23世界選手権の2位が悔やまれる結果となった。
53kg級優勝の藤波朱理(日体大)はカデット、シニアの世界選手権に続く優勝を達成した。まだU23世界選手権出場の機会のある年齢だが、ジュニア(U20)の世界選手権に出場できる機会をコロナで奪われ、2022年は国内予選で優勝したものの、シニア世界選手権へ向けて出場を見送ったため、最高で「3世代の世界チャンピオン&オリンピック・チャンピオン」となる。
57kg級優勝の櫻井つぐみ(育英大助手)もカデット、シニアの世界選手権に続く世界一だが、来年のU23世界選手権には出場できないので、「2世代の世界チャンピオンとオリンピック・チャンピオン」となる。
鏡、櫻井と同期の元木咲良(育英大助手)は早生まれなので、来年のU23世界選手権には出場できる。まだシニアの世界選手権を制していない元木だが、2019年世界カデット選手権と2022年U20世界選手権で優勝しており、来年のU23を制すれば、グランドスラムの可能性を持つことになる。
※左の数字は達成順
No. | 選手名 | 国名 | カデット | ジュニア | U23 | シニア | オリンピック |
2 | アミート・エロル | 米 国 | 2021年 (69kg) |
2021年 (68kg) |
2022年 (72kg) |
2022年 (72kg) |
2024年 (68kg級) |
1 | 須﨑優衣 | 日 本 | 2014年 (43kg) |
2018年 (50kg) |
2022年 (50kg) |
2017年 (48kg) |
2021年 (50kg) |
※左の数字は達成順
No. | 選 手 名 | 国 名 | カデット | ジュニア・U20 | U23 | シニア |
3 | 尾﨑野乃香 | 日 本 | 2018年(57kg) | 2022年(62kg) | 2022年(62kg) | 2022年(62kg) |
〃 | アミート・エロル | 米 国 | (上記参照) | |||
〃 | 須﨑優衣 | 日 本 | (上記参照) | |||
2 | 古市雅子 | 日 本 | 2011年(65kg) | 2014年(67kg) | 2019年(68kg) | 2021年(72kg) |
1 | 奥野春菜 | 日 本 | 2016年(52kg) | 2019年(53kg) | 2017年(55kg) | 2017年(55kg) |
※左の数字は達成順
No. | 選 手 名 | 国 名 | カデット | ジュニア | シニア | オリンピック |
6 | 鏡 優翔 | 日 本 | 2017年(70kg) | 2019年(72kg) | 2023年(76kg) | 2024年(76kg) |
〃 | アミート・エロル | 米 国 | (上記参照) | |||
4 | 志土地真優 | 日 本 | 2012年(52kg) | 2016年(55kg) | 2016年(55kg) | 2021年(53kg) |
〃 |
須﨑優衣 | 日 本 | (上記参照) | |||
3 | 川井梨紗子 | 日 本 | 2011年(52kg) | 2013年(55kg) | 2017年(60kg) | 2016年(63kg) |
1 | 吉田沙保里 | 日 本 | 1998年(52kg) | 2000年(58kg) | 2002年(55kg) | 2004年(55kg) |
〃 | イリナ・メルレニ | ウクライナ | 1998年(46kg) | 1999年(46kg) | 2000年(46kg) | 2004年(48kg) |