国籍変更選手は4人が金メダル、7人が銅メダルを獲得…2024年パリ・オリンピック

　国籍を変更してオリンピックに出場する選手は1996年アトランタ大会あたりから目立つようになり、現在ではさほど珍しいことではなくなった。

　2024年パリ・オリンピックでは、291選手中43選手が国籍変更選手（男子フリースタイル31選手、女子2選手、男子グレコローマン10選手）。うち、金メダル獲得が4選手、銅メダル獲得が7選手、5位が9選手で（銀メダリストはなし）、20選手がメダル争いにからみ、新しい国の期待にこたえた。

　最も国籍変更が多かったのがロシアからの変更で24選手（男子フリースタイル 19 選手、男子グレコローマン 5 選手）。金メダル3選手、銅メダル5選手、5位6選手の成績だった（男子フリースタイル97kg級で優勝したアフメド・タジュディノフ＝バーレーン＝は、国際舞台では当初から「バーレーン」だが、2022年ロシア選手権に出場するなど国籍変更が明らかな選手であり、そのようなケースも含む）。

　男子フリースタイル74kg級は、18選手中、ロシアからの6選手を含めて8選手が国籍変更選手（難民選手団を含む）。金、銅、2人の5位選手が旧ロシア選手だった。ロシアが不在だった大会だが、レスリングに限れば、ロシアのパワーがあった大会だったと言える。

▲“ロシア”が6選手参加した男子フリースタイル74kg級。決勝で高谷大地（自衛隊）を破ったラザムベク・ジャマロフ（ウズベキスタン）もロシア出身＝撮影・保高幸子

　以前はなかった米国からの国籍変更、あるいは米国在住ながら父方または母方の国籍を選択した選手も増えて、8選手（男子フリースタイル57kg級世界王者のステバン・ミチッチ＝セルビア＝が負傷欠場しなければ9選手）。最高は男子フリースタイル65kg級のセバスチャン・リベラ（プエルトリコ）の銅メダルだった。

　日本からも初めて国籍を変更して出場を果たした選手がおり（赤澤岳＝サモア）、今後も国籍変更選手の出場が増えていきそう。

国籍変更のメダル獲得選手

ロシアからの国籍変更選手の成績