日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2024.08.26

2024年U17世界選手権(ヨルダン)出場の女子チームが帰国

 

 2024年U17世界選手権に出場した女子チームが8月25日、羽田空港に帰国した。46kg級の勝目結羽(愛知・至学館高)が優勝したものの、優勝は1階級で、昨年の6階級優勝から大きく減らし、国別対抗得点で優勝を逃したのは、2013年以来。

▲国別対抗得点2位で帰国した女子チーム

 唯一優勝した勝目は「優勝できて、うれしい。インターハイ後から課題にしていたタックルも、準決勝で対戦した去年の優勝選手(米国)にかけられたり、決勝でも怖がらずにタックルに入れたところがよかったです」と振り返る。

 4試合すべてをテクニカルスペリオリティで勝ち、試合タイムの合計は226秒(1試合平均57秒)で、総得失点は43-2。一昨年と昨年、U15アジア選手権を制しており、世代を上げて「世界」が舞台になっても変わらぬ強さを見せた。「試合前はけっこう不安な気持ちになったりもしたんですけどね」と苦笑いするが、試合が始まると「やってやるぞ、という気持ちになりきりました」と、圧勝続きの要因を分析。

 ここまで強ければ、「準決勝でなぜ2点を取られた?」と聞きたくなるが、勝目の最初のタックルのとき、相手がタックル返しで抑えるアクションがあったためらしい。6-0だったあと相手陣営のチャレンジで、9-2となり、日本陣営も訳が分からないうちに試合が再開された。ひとつ言えることは、攻撃を受けての失点ではなく、常に攻め続けた末の勝利だった。それでも、「無失点での優勝が目標だったので、悔しい」と、ここは悔いが残るところのようだ。

 ここまでの強さだと、17歳になる来年は年齢の特例(医師の診断書提出など)を適用してU20に出場し、ワンランク上で世界一を目指すのも一案。その誘い水には「いえいえ」と笑い、まずU17で確固たる基盤をつくってから上の世代に挑みたい気持ちを話した。

▲メダル獲得選手

 齋藤ほのか監督(東京・安部学院高教)は「団体優勝を目指していましたが、残念ながら2位に終わりました。でも(躍進著しく団体優勝の)インドに勝つ選手もいて、インドとの差は開いていません」と総括。昨年の金6個から1個に激減し、数字から見れば大きな後退だが、5階級で決勝に進んでおり、奮起しなければならない数字ではあるものの、それほどの差はないと見ている。

 一方で、この世代ならたいてい勝っていた米国やカナダなどに負ける選手もいて、他国のレベルアップを痛感。パリ・オリンピックの結果はよかったが、「この世代、さらに下の世代を強化していかなければ、今後は厳しい結果になることをひしひしと感じました」と話した。

 これまでにない傾向として、フォール負けが多かったことを挙げた。日本は、どちらかというとポイントを積み重ねていくスタイルだが、欧米はフォール狙いで技を仕掛けてくるケースが多く、それに慣れていないからと思われる。さらに、日本はフォールの体勢になり、レフェリーがしっかり確認してからフォールを認定するのに対し、国際大会では以前あった“瞬間フォール”に近い形でフォールを決められるケースもあり、このあたりの対策も必要と話した。

 坂本涼子コーチ(兵庫・芦屋学園高教)も、「昨年と今年の金メダル数の違いほどの差はない」と言う。中国やインドは国際大会の常連とも言える選手が多かったが、今年の日本チームは例年以上に初の国際大会という選手が多く、経験の不足があっただけ。「国際大会を経験すれば力を出せるはず」と見ている。

 日本代表になった以外の選手にも外国選手と練習させる機会をつくるため、以前、日本でもよく行っていた国際合宿の再開を望んだ。

▲羽田空港でのミーティング


 ■49kg級2位・由井詠葉(兵庫・芦屋学園高)「初めての国際大会にしては、自分の力は出し切れたと思うので(優勝を逃した)悔いとはかありません。決勝は逆転されての1点差負けで、最後に守ってしまいました。もっと自分から攻めるようにすることが今後の課題です。準決勝までは、自分の思った通りの試合ができたと思います。国内でも次々と強い選手が出てきます。そうした選手に1位の座を奪われないよう技を進化させ、来年は優勝したい」

 ■53kg級2位・小塚菜々(三重・いなべ総合学園高)「優勝を目指してきたので、悔しかったです。決勝は相手のペースにのまれ、攻撃を防ぐことができませんでした。これまでに闘ったことのないタイプでした。準決勝までは自分のレスリングができ、ポイントを重ねることができてよかったです。来年もU17世代なので、リベンジし、ロサンゼルス・オリンピックにつなげられるようにしたい」

 ■57kg級2位・筒井双(福島・ふたば未来学園高)「優勝を目指していたので、すごく悔しいです。決勝のインド戦は何もすることができなかった。何か自分の得意技を身につけなければなりません。インドが強いことは知っていたので、試合映像を見て研究したのですが、やってみると、やはり強かったです。今後は、来年のインターハイでの優勝を目指し、オリンピックに出たいです」

 ■61kg級2位・野口紗英(北海道・帯広北高)「悔しい、の一言です。決勝のアメリカ選手は何もさせてもらえなかった。試合の動画があったので、研究していましたが、それでも何もさせてもらえなかった。準決勝までは練習でやってきたことが出せたと思います。来年はU20世代になるので、U20世界選手権でこのリベンジを目指したい」

 ■69kg級3位・内山陽誇(福島・ふたば未来学園高)「うれしい気持ちもありますけど、優勝を目指していたので、やはり悔しいです。インドは最近強いので、試合前はちょっと意識しましたけど、試合が始まれば『やり切ろう』と思って闘いました。ですから気持ちで負けたわけではありません。来年4月のクイーンズカップで優勝し、来年もU17世界選手権に出て、このリベンジをしたい」

 







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

    

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に