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2024.08.30

9.2~8 U20世界選手権(スペイン)出場の男子グレコローマン・チームが出発

 

 9月2日(月)~8日(日)にスペイン・ポンテベドラで行われるU20世界選手権に出場する男子グレコローマン・チームが8月29日、羽田空港から出発した。

 2015年以来、コロナで不出場だった2021年を除いてメダルを取ってきた大会だが、優勝はない。今大会は、82kg級の吉田泰造(香川・高松北高)が昨年のU17世界選手権優勝に続くタイトル獲得を目指すなど、頼もしい戦力がそろっている。

 藤村義監督(自衛隊)は「2日間の事前合宿で各選手の力量を大まかに見た。軽量級にはいい技を持っている選手がいる。各選手が力を最大に発揮できるようにサポートしていきたい」と言う。今月中旬のU17世界選手権(ヨルダン)の男子グレコローマンはメダルなしに終わり、世界との実力差を見せつけられた形だが、キャリアを積んでいるこの世代では、「そうはいかない」という気持ちは十分。

▲スペインへ向かった男子グレコローマン・チーム

 3スタイルを統括する馬渕賢司チームリーダー(岐阜・恵峰学園職)は「(今年の)各世代のアジア選手権やU17世界選手権の結果からすると、世界で勝つのは厳しいことが予想されるが、この世代の選手が間違いなく、今後の日本を背負っていくので踏ん張りが必要。それが全体のレベルアップにつながっていく」と期待。好成績を挙げたパリ・オリンピックを意識することなく、「まず自分のパフォーマンスを出し切って、この世代の世界一を目指してほしい」と話した。

 グレコローマンでは、一人でも多く優勝や入賞選手が出てくれることが目標。インドなど他国の台頭が目覚ましい女子は、「ぜひ巻き返してほしい」と奮起を促した。男子フリースタイルは、昨年、チャンピオンが生まれ(57kg級・西内悠人=日体大)、国別対抗得点で4位に躍進した。「(日本選手は)十分に世界で通じるものを持っている。軽量級だけではなく、中量級、重量級にも期待したい」と話した。

インカレを制し、いい気持ちで臨む掛川零恩主将(早大)

 主将に指名された87kg級の掛川零恩(早大)は「この大会は3回目になります(2022年=5位、2023年=7位)。今年は結果を出したい。キャプテンに指名されたし、最年長としてチームを引っ張れるよう頑張りたい」と決意を話した。

 5日前に終わった全日本学生選手権(インカレ)で優勝しての参加。「日本代表としてインカレで負けるわけにはいかなかった。しっかり優勝して、いい気持ちで臨めます」と言う。その疲れがないと言えば、うそになるだろうが、気持ちの高揚の方が上回っている。「すぐにこの大会に切り替えたので、大丈夫です」と話し、3度目のU20世界選手権へ挑む。

 2世代目の世界制覇を目指す82kg級の吉田泰造(前述)は、今月中旬の全国高校生グレコローマン選手権は負傷で欠場したが、この大会にかけるため無理をしなかったため。それだけ、世界一への強い思いを持って挑む大会。U20世代の中では下の方の年齢になるわけだが、「同じ階級の選手と闘うのです。年齢は関係ないし、気にしていません」と言う。

 同郷の先輩、日下尚(三恵海運)がオリンピックのあと、高校へ来てくれたという。「金メダルをさわらせてもらいまして、カッコよかったです」と話し、ますます世界一への思いが強くなった様子。すでにシニアでアジアを制しており(今年4月)、10月には非オリンピック階級の世界選手権(アルバニア)への出場も内定している。「この大会で優勝し、勢いをつけてシニアの世界一を目指したい」と気合をこめた。

 大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。女子は8月31日、男子フリースタイルが9月2日に出発する。


大会スケジュール

9月2日(月)男子グレコローマン55-63-77-87-130 kg級/1回戦~準決勝
  3日(火)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
      男子グレコローマン60-67-72-82-97 kg級/1回戦~準決勝
  4日(水)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
      女子50-55-59-68-76 kg級/1回戦~準決勝
  5日(木)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
      女子53-57-62-65-72 kg級/1回戦~準決勝
  6日(金)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
      男子フリースタイル57-65-70-79-97 kg級/1回戦~準決勝
  7日(土)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
      男子フリースタイル61-74-86-92-125 kg級/1回戦~準決勝
  8日(日)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル


日本選手団・役員

【チームリーダー】馬渕賢司(岐阜・恵峰学園職)

【男子グレコローマン監督】藤村義(自衛隊)、【同コーチ】成瀬一彦(岐阜・中津商高教)
【女子監督】正田絢子(京都・丹後緑風高教)、【同コーチ/男子フリースタイル監督】小平清貴(警視庁)
【男子フリースタイル・コーチ】米満達弘(自衛隊)

【ドクター】長尾卯乃(東京都立駒込病院)、【トレーナー】梶尾安正(あみ鍼灸整骨院)

【帯同審判】増田莊史(香川・多度津高教)、本田原明(自衛隊)、針谷豊(群馬・西邑楽高教)


日本代表選手

 【男子グレコローマン】
▼55kg級 森下大輔(日体大)
▼60kg級 金澤孝羽(日体大)
▼63kg級 八隅士和(東京・自由ヶ丘学園高)
▼67kg級 長谷川虎次郎(育英大)
▼72kg級 菊田 創(青山学院大)
▼77kg級 高橋侑臣(育英大)
▼82kg級 吉田泰造(香川・高松北高)
▼87kg級 掛川零恩(早 大)
▼97kg級 菊地一瑳(明 大)
▼130kg級 岩﨑和志(中 大)

 【女子】
▼50kg級 森川晴凪(至学館大)
▼53kg級 弓矢紗希(日体大)
▼55kg級 本多香里菜(神奈川大)
▼57kg級 内田颯夏(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)
▼59kg級 尾西 桜(日体大)
▼62kg級 伊藤 渚(日体大)
▼65kg級 池畑菜々(育英大)
▼68kg級 持永聖愛(南九州大)
▼72kg級 坂井 愛(岐阜・岐阜工高)
▼76kg級 吉田千沙都(三重・白山ガールズ)

 【男子フリースタイル】
▼57kg級 松村祥太郎(専 大)
▼61kg級 小野正之助(山梨学院大)
▼65kg級 細川 周(日体大)
▼70kg級 山下凌弥(日体大)
▼74kg級 安藤慎悟(山梨学院大)
▼79kg級 神谷龍之介(日体大)
▼86kg級 淺野稜悟(中 大)
▼92kg級 金澤空大(早 大)
▼97kg級 甫木元起(日体大)
▼125kg級 藤田宝星(埼玉・花咲徳栄高)







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