9月2日(月)~8日(日)にスペイン・ポンテベドラで行われるU20世界選手権に出場する女子チームが8月31日、羽田空港から出発した。試合は4日(水)~6日(金)に行われる。
昨年は金1個で、2大会連続(2019・22年)の8階級制覇から大きく後退する結果へ。2011年から続いていた国別対抗得点の優勝も逃して2位だった。その雪辱もさることながら、今年は3世代(U15・U17・U20)のアジア選手権とU17世界選手権で国別対抗得点の優勝がなく、その流れを止めるべき大会。
昨年のU17世界選手権優勝の内田颯夏(57kg級=JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)、尾西桜(59kg級=日体大)、吉田千沙都(76kg級=三重・白山ガールズ)らが奮戦し、年上の学生チャンピオンらの踏ん張りが望まれる。
正田絢子監督(京都・丹後緑風高教)は「この世代が次の日本を背負っていくことになる。しっかり結果を残してほしい。選手の力が100パーセント出せるようにサポートし、それが結果につながればいいと思う」と話す。今年、まだ団体優勝がないことについてはあまり意識せず、「頑張れば結果はついてくる。自分たちのやるべきことをしっかりやってほしい」と望んだ。
出発前の2日間の事前合宿でチームの団結や和が高まってきたとのこと。「チーム力で闘いたい」と、一致団結での挑戦を期待した。
男子フリースタイルと兼任で帯同する小平清貴コーチ(警視庁)は、女子チームの担当は初めて。事前合宿から参加していて、「女子選手は雰囲気作りがうまいですね」と、チームの団結力に舌を巻く。2日間の合宿で多くのことを教えるのは無理だが、試合を見ながら気がついたことをアドバイスしていきたいと言う。
選手時代は96・97kg級で闘っていたので、女子にとっても重量級の頼もしいコーチになりそう。「パリ・オリンピックで鏡優翔選手(サントリー)が金メダルを取り、重量級でもフットワークとタックルができれば上へ行けるところを見せてくれた。そういうレスリングができるよう指導していきたい」と話した。
チームのキャプテンに指名された50kg級の森川晴凪(至学館大)は「チーム一丸となって、仲よく、楽しく、それぞれのよさを出して勝利につなげられるようにまとめていきたい」と意気込む。自身は、コロナとけがのため2020年1月の「クリッパン女子国際大会」(スウェーデン)以来の海外遠征。「久しぶりなので不安な気持ちがありますけど、(けがから復帰して)たくさん練習してきました。挑戦者として挑み、絶対に勝ちたいと思います」と言う。
1週間前の全日本学生選手権では、苦戦しながらも優勝できた。「強い選手を相手に勝ち切れたのは自信になります。この大会に向けていい結果を出せました」と話し、その波に乗って国際舞台でも好成績をあげる腹積もりだ。
大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。男子グレコローマンは出発済み。男子フリースタイルは9月2日に出発する。
9月2日(月)男子グレコローマン55・63・77・87・130 kg級/1回戦~準決勝
3日(火)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
男子グレコローマン60・67・72・82・97 kg級/1回戦~準決勝
4日(水)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
女子50・55・59・68・76 kg級/1回戦~準決勝
5日(木)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
女子53・57・62・65・72 kg級/1回戦~準決勝
6日(金)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
男子フリースタイル57・65・70・79・97 kg級/1回戦~準決勝
7日(土)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
男子フリースタイル61・74・86・92・125 kg級/1回戦~準決勝
8日(日)前日実施階級の敗者復活戦・ファイナル
【チームリーダー】馬渕賢司(岐阜・恵峰学園職)
【男子グレコローマン監督】藤村義(自衛隊)、【同コーチ】成瀬一彦(岐阜・中津商高教)
【女子監督】正田絢子(京都・丹後緑風高教)、【同コーチ/男子フリースタイル監督】小平清貴(警視庁)
【男子フリースタイル・コーチ】米満達弘(自衛隊)
【ドクター】長尾卯乃(東京都立駒込病院)、【トレーナー】梶尾安正(あみ鍼灸整骨院)
【帯同審判】増田莊史(香川・多度津高教)、本田原明(自衛隊)、針谷豊(群馬・西邑楽高教)
【男子グレコローマン】
▼55kg級 森下大輔(日体大)
▼60kg級 金澤孝羽(日体大)
▼63kg級 八隅士和(東京・自由ヶ丘学園高)
▼67kg級 長谷川虎次郎(育英大)
▼72kg級 菊田 創(青山学院大)
▼77kg級 高橋侑臣(育英大)
▼82kg級 吉田泰造(香川・高松北高)
▼87kg級 掛川零恩(早 大)
▼97kg級 菊地一瑳(明 大)
▼130kg級 岩﨑和志(中 大)
【女子】
▼50kg級 森川晴凪(至学館大)
▼53kg級 弓矢紗希(日体大)
▼55kg級 本多香里菜(神奈川大)
▼57kg級 内田颯夏(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)
▼59kg級 尾西 桜(日体大)
▼62kg級 伊藤 渚(日体大)
▼65kg級 池畑菜々(育英大)
▼68kg級 持永聖愛(南九州大)
▼72kg級 坂井 愛(岐阜・岐阜工高)
▼76kg級 吉田千沙都(三重・白山ガールズ)
【男子フリースタイル】
▼57kg級 松村祥太郎(専 大)
▼61kg級 小野正之助(山梨学院大)
▼65kg級 細川 周(日体大)
▼70kg級 山下凌弥(日体大)
▼74kg級 安藤慎悟(山梨学院大)
▼79kg級 神谷龍之介(日体大)
▼86kg級 淺野稜悟(中 大)
▼92kg級 金澤空大(早 大)
▼97kg級 甫木元起(日体大)
▼125kg級 藤田宝星(埼玉・花咲徳栄高)