2024年パリ・オリンピックで前人未踏の5度目の優勝を成し遂げた男子グレコローマン130kg級のミハイン・ロペス(キューバ)が8月末、同級でオリンピック3連覇を成し遂げたアレクサンダー・カレリン(ロシア)の故郷、ノボシビルスクを訪れてカレリンと対面。ロシア・レスリング協会ホームページのインタビューにこたえ、オリンピック5連覇を振り返り、今後のことなどを話した。
ロペスは、ロシアを訪れたことについて、「史上最高のレスラー(カレリン)が生まれ、住んでいるシベリアに来ることが私にとって重要なことです。私のコーチは常にソ連(ロシア)のレスリングについて話し、世界選手権で1度も負けなかったカレリンのことを多く教えてくれました。私がオリンピック5連覇を達成したことは、すべてカレリンのおかげです。彼は私に真のチャンピオンになることを教えてくれました」と説明。カレリンを尊敬し、彼の存在があればこその偉業であることを強調した。
2021年東京大会からパリ・オリンピックの間、一度も大会に出場していないことから、「練習らしい練習をしていなかった、との声があるが」との問いには、「そんなことはありません。コーチと私には必須のトレーニングプログラムがあり、それを 100% 完了してオリンピックに臨みました。 5個目の金メダルは、私のチームなしでは実現しなかったと思います」と、キューバ・チームの団結のおかげと話した。
「ロシアには、2028年ロサンゼルス大会にも出場するのでは? との声もあった」との問いには、「オリンピックのシンボルは 5 つのリングです。金メダルを5つ獲得できるように努力しようと思いました。私は世界選手権でも 5 回、パンアメリカンの大会でも 5 回優勝しています」と話したあと、「130kgという体重制限がなければ、続けていたかもしれないですね」とも話した。
今後は、「キューバと世界のレスリングの発展に貢献していきたい」とのこと。「将来、オリンピック5連覇を達成する選手が現れると思うか?」との問いに、「私がレスリングを始めた頃、オリンピックで4回優勝する選手が現れるとは、だれも思っていませんでした。したがって、何でも可能です」と、人間の可能性は無限であることを強調した。