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2024.09.13

【訃報】高校レスリング界に不滅の金字塔…大澤友博氏(茨城・霞ヶ浦高&千葉・日体大柏高・元監督)が死去

 

 茨城・霞ケ浦高校の監督として高校レスリング界に不滅の金字塔を打ち立て、千葉・日体大柏高校でもチームを何度も全国優勝させた大澤友博さんが2024年9月12日午前6時45分、急性骨髄性白血病のため死去した。69歳。

 通夜は9月21日(土)午後5時、告別式は22日(日)正午、いずれも「うしくあみ斎場」(茨城県牛久市久野町2867、電話029-830-9888)

▲最後の優勝胴上げとなった2019年インターハイ(翌年の全国高校選抜大会優勝のときは、コロナのため胴上げは自粛)。日体大柏の4年連続4度目の優勝ということで、指で「4」をアピールした=撮影・矢吹建夫

▲目立つことが嫌いで、優勝記念の集合写真は遠慮することが多かった大澤監督(強く懇願すると拒否はしなかったが)。最後のインターハイ優勝となった2019年大会では、保護者らと積極的にカメラに収まった(右側のプラカードの後ろが大澤監督)=撮影・矢吹建夫

 同氏は日体大を卒業後、1979年に霞ヶ浦高校に赴任してレスリング部を創設。当時の茨城県には土浦日大高という全国トップレベルの強豪チームがあり、全国でも青森・光星学院高が最強チームとして存在していた。それを乗り越えるには「猛練習しかない」と、早朝、昼休み、放課後、夜という1日4回の練習を実施。東京の大学にも頻繁に練習に行った。

 当時の試合会場はエアコンがないのが普通。真夏のインターハイに対応するため、夏でも道場の窓を閉め切り、ストーブをたいて40度の室温をつくって練習した。当時の選手の多くが「今、あの練習をやらせたら、部員が誰もいなくなるんじゃないかな」と口にするほど激しい練習。選手から呼ばれたあだ名が「魔王」。

 当時の高校レスリング界には、周囲が持て余すような不良少年が少なからずいたのも事実。保護者から「何とかしてほしい」と子供を託された例も数多くあった。そんな選手にもしっかりと向き合い、今では認められない鉄拳制裁を時に交え、逃げ出しても迎えに行って説得。見捨てることなく育て、更生させて全国大会で好成績を残した選手もいた。

 1986年インターハイで青森・光星学院高の5連覇を阻止して初優勝。以後、定年退職する2014年度までにインターハイ23回、全国高校選抜大会20回の優勝を誇り、当分破られることのない金字塔を樹立。個人の全国王者育成は数知れず。オリンピック選手としては1992年バルセロナ大会の花原大介奥山恵二、1996年アトランタ大会の太田拓弥、2004年アテネ大会の小幡邦彦、2016リオデジャネイロ&24年パリ大会の樋口黎が生まれている。他に、沖山功審判員が2016年リオデジャネイロ大会と2021年東京大会に参加した。

▲1986年、無敵の存在だった青森・光星学院高を破り、インターハイ初優勝を遂げた霞ヶ浦高校(前列左端が大澤監督)。ここから栄光の歴史が始まった=日本レスリング協会機関誌より

 2015年4月に千葉・日体大柏高校の監督に就任。創部2年目の2016年インターハイ学校対抗戦で早くも全国優勝を達成。2021年までにインターハイ4度優勝など名指揮官ぶりを発揮した。

 近年は血液の病気のため、指導の現場から退いて闘病生活を送っていた。


▲中学時代は全国大会無冠だった樋口黎(右)を、2年連続インターハイ王者、高校三冠王者に育てた大澤監督。教え子のオリンピック金メダル獲得を見届けるまで、逝くのをこらえたに違いない=2013年全国高校選抜大会

▲育てたのはエリートだけではない。股関節に先天性の病気を持っていた高橋拓也(2021年東京オリンピック代表・高橋侑希の弟)を大切に育成し、インターハイ団体優勝のメンバー&個人2位にまで育てた=2013年全国高校選抜大会

▲霞ヶ浦高校退職の2日前にあった2015年全国高校選抜大会最終日。125kg級の冨栄雅秀が優勝し、“霞ヶ浦の大澤監督”に最後の金メダルを捧げた

▲監督として最後の団体優勝となった2020年全国高校選抜大会(コロナのため同年10月に実施)

 

 

 







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