(2024年10月22日、アルバニア・ティラナ/取材・撮影=保高幸子)
■60kg級・森靖仁(日体大=1回戦敗退)「やってきたことを出し切ったと思いますけど、負けたので悔しいです。ローリングの切りはある程度、できたと思います。できなかったことは、自分の強みである俵返しでポイントを多く取れなかったことです。外国選手は日本選手と違って前に出るプレッシャーはありました。次の大会は天皇杯(全日本選手権)なので、そこで優勝できるように頑張りたい」
■67kg級・矢部晴翔(自衛隊=昨年の3位に及ばず)「まだ甘いな、というのが感想です。やるべきことはやってきましたが、それを出す前に負けたと言うか…。取り切るべき場面、守った方がいい場面の正確さを試合に出せないのなら、練習しても意味がない。(4月のアジア選手権に比べて)よくはなってきていると思いますが、練習の成果を出せなかったのが敗因です。
目標はロサンゼルス・オリンピックなので、くよくよしている時間はない。すぐに練習したいと思います。練習してきたことを試合で出せなければ駄目。帰国してから、どうすればいいかを考えたい」
■72kg級・小野健作(日体大=敗者復活戦を勝ち抜けず)「初めての海外の試合でしたが、同じ世代、同じ階級なので、同じ人間だろ、という気持ちで怖がることもなくぶつかりました。外国選手のファイトスタイルは日本選手とは違って、大学で培ってきた前に出るレスリングをやり切れず、勝ち抜くことができませんでした。自分は前に出たいけど、相手の引き込みとかに遭って(先にパッシブを取られ)グラウンドの防御になってしまう。大差はないとは思うけど、かみ合わない、という感じです。12月の天皇杯(全日本選手権)までに、自分のよさの前に出ることを磨きたい。新しいことを取り入れるより、自分のよさをレベルアップしたい」
■82kg級・谷﨑大造(自衛隊=1回戦敗退)「去年の大会にも出場し、結果は去年と同じ1回戦負けですが、試合内容は去年とは全然違うと思います。去年は何もできなくて、収穫も何もなかったですが、今回は収穫があり、次につなげられる試合だったと思います。(自衛隊の勤務の関係で)練習できたのは10月からで、約半年間、土日の仕事の休みのときにレスリングの練習に加わったりし、少ない時間で効果的な練習を心がけてきました。このあと体育学校に加わることができれば、もっと練習して強くなり、いい結果を残したい」
■97kg級・中原陸(大東大=1回戦で昨年の優勝選手に敗れる)「相手の引きつけるパワーに素早く対処できなかったのが敗因だと思います。極めるところを徹底して極めてくるというか、徹底して関節を極めてくるのが印象的でした。日本だとそのあたりが中途半端で、切ることができるのですが、今回はそうではなく、対処が遅くなってポイントを取られてしまいました。スタンド戦で前に出ることを心がけましたが、腕を先に極められて自分の持ち味の前に出るレスリングができなかった」