(2024年10月31日、アルバニア・ティラナ / 取材・撮影=保高幸子)
■61kg級優勝・小野正之助(山梨学院大)「1ヶ月前に足首はく離骨折、骨挫傷、靭帯損傷のけがをして、練習できない状況で出場しました。優勝はうれしいですが、一番のうれしさは去年の世界チャンピオンと、大学の高橋侑希コーチが負けているウグエフ(AIN)に勝ったことです。ウグエフは高校のときから憧れていた選手。その選手に勝ったことが特にうれしい。
あこがれを超えましたが、ここが最終目標ではありません。(世界中からマークされることになるが)それを考えるより、毎日の練習を楽しむ、それだけです。最終目標はオリンピックで金メダルを取ることですが、純粋にレスリングを楽しみ、趣味のようにして頑張りたい」
■70kg級2位・青柳善の輔(クリナップ)「U23世界選手権からずっとアルバニアにいて、メダル2個。いい収穫でしたが、やはり2大会とも負けたわけで、そこは悔しいです。決勝の相手は自分が攻め急いで、相手にポイントを与えてしまった感じ。バカなことをしたな、という部分はあります。世界の舞台でも、(自分には)ああいう大きな技を仕掛ける度胸はあるんだな、と思いましたが、決め切れないのはよくない。もっと堅実に闘い、来年というよりロサンゼルス・オリンピックにつなげられる試合でした。階級変更がなければ、最終的に74kg級でやると思いますが、まず70kg級で世界一を目指し、(2026年の)アジア大会から74kg級で闘うつもりでいます」
■79kg級5位・髙橋海大(日体大)「(U23世界選手権で負った)けがは、トレーナーやコーチから全力でサポートしていただき、問題ない状態で臨めました。負けたジョージアとイランの選手は、フィジカルもテクニックも劣っていました。けがが原因ではなく、純粋に負けていました。ただ、けがで自分の持ち味のタックルがうまく出せなかったことは事実です。自分にはタックルしかないことを感じました。日体大でふだんから練習している構え、ステップ、崩しなど基礎の部分が試合に出ることは感じました」
■92kg級・石黒峻士(MTX GOLDKIDS=初戦敗退)「今までと違う練習方法をやり、食事管理をしっかりでき、スタイル的にも安定して自信をもって挑めました。1回戦で元世界チャンピオンが相手で、0-6という結果でしたが、今の段階ではできることはできたかな、と思います。今後もこの階級でやっていく予定です。パワー負けはしなかったので、問題は技術面だと思います。課題の克服の仕方も分かってきたので、ひとずつやっていけば闘えるんじゃないかな、という気はしています」