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2024.11.07

【2024年全日本大学選手権・展望(大学対抗得点)】日体大の5連覇なるか、山梨学院大の覇権奪還なるか

 

 大学日本一を決める闘い、2024年内閣総理大臣杯全日本大学選手権は11月9日(土)~10日(日)に大阪・堺市金岡公園体育館で行われる。昨年は大会史上まれに見る大接戦。初日を終わって山梨学院大が6階級で決勝進出を決め、5階級で決勝に進んだ日体大をリード。日体大は自力優勝の可能性がなくなり、最後までその状況が続いたが、決勝戦の第9試合で優勝が転がり込むという薄氷を踏む思いで4年連続24度目の優勝を達成した。

 全体でも、日大が2位の山梨学院大を上回る2階級で優勝し、中大が33年ぶりに4位に浮上。出場4年目の育英大が5位へ入り、拓大と早大からも個人優勝選手が誕生。戦国時代到来を思わせる熱き闘いが展開された。

▲大学日本一を決める闘いの場となる堺市金岡公園体育館

 今大会は、6月の東日本学生リーグ戦で6年ぶりの優勝を達成した山梨学院大が、全日本学生選手権(インカレ)でも4階級を制した強力メンバーで臨み、日体大の連続優勝の阻止と5年ぶりの優勝を目指す。

 2チームによる闘いであってはならない。重量級に好選手を抱える日大、有望新人の加入で層が厚くなった中大、全日本大学グレコローマン選手権で初優勝を遂げて勢いのある育英大、インカレで優勝選手を輩出した早大拓大、まんべんなく上位入賞が狙える専大などが奮戦すれば、優勝争いはどうなるか分からない。日体大の「一強時代」~日体大と山梨学院大の「二強時代」のピリオドを打つべく、各大学の踏ん張りが期待される。

 昨年までの5年間の優勝得点は、2019年=49点(山梨学院大)、2020年=71点(日体大)、2021年=87点(日体大)、2022年=81点(日体大)、2023年=65点(日体大)。各大学の戦力からすると、昨年同様、60点前半の攻防になることが予想される。

 大学対抗得点と各階級の見どころを探った。

▲2年連続で実現した日体大・松本慎吾監督の胴上げ。今年はどうか(グランドスラムではないから、優勝しても実現しないかもしれないが…)

※全10階級のうち、各大学8階級(非オリンピック階級は2階級まで)の出場=2022年からのルール。順位に応じた得点の合計で優勝を争う。
※得点は、優勝=12点、2位=9点、3位=6点、5位=3.5点、7位=2点、8位=1点。
※正選手が起用されることを前提とした予想。組み合わせ抽選は8日

《大学別エントリー選手》 《階級別・展望》
《大会サイト》  《大会要項》 《デジタルパンフレット(10MB)》


6階級で優勝を目指せる日体大

 5年連続優勝を目指す日体大は、65kg級=西内悠人(全日本学生選手権・国民スポーツ大会優勝)、70kg級=田南部魁星(全日本選手権61kg級優勝)、74kg級=山下凌弥(全日本選抜選手権優勝)、79kg級=神谷龍之介(昨年優勝)、86kg級=髙橋海大(全日本学生選手権74kg級優勝)、97kg級=甫木元起(JOCジュニアオリンピック優勝)の6階級で優勝を目指したい。

 65kg級には、リーグ戦の優勝決定試合(3回戦)でチームの4敗目(チームの敗戦)を喫することになった荻野海志(山梨学院大)がいて、昇り調子の西内といえども勝負の行方は読めない。86kg級の髙橋はU23世界選手権と非オリンピック階級世界選手権での負傷のため、不出場が見込まれる。

 確実に勝ってほしいのは4階級。田南部主将はフリースタイルでは初の階級となる70kg級へ挑む。学生王者(森田魁人=山梨学院大)が74kg級へエントリーして“障壁”が下がった。74kg級の山下は森田との激突となる。全日本選抜王者の意地を見せたいところ。79kg級の神谷は74kg級国民スポーツ大会王者の鈴木大樹(山梨学院大)との一騎打ちか。97kg級の甫木は、全日本&学生王者の吉田アラシ(日大)が125kg級へエントリーしたことで、優勝の可能性が高まった。

 4階級を勝てば48点(12点×4)。残る4階級で最低3位に入れば24点(6点×4)が加わり、得点は72点まで伸びる。組み合わせ次第で「0点」の可能性の階級もある一方、65kg級で西内が優勝し(12点)、2位に入る階級があれば帳消しとなる。最低でも65点を目指したいところだ。

▲日体大をけん引する田南部魁星主将=2023年11月:全日本大学選手権(撮影・成國琴音)

世界王者誕生の勢いに乗れるか、山梨学院大

 山梨学院大は、57kg級=勝目大翔(全日本学生選手権優勝)、61kg級=小野正之助(世界選手権優勝)、65kg級=荻野海志(U23世界選手権2位)、74kg級=森田魁人(全日本学生選手権70kg級優勝)、79kg級=鈴木大樹(国民スポーツ大会74kg級優勝)、86kg級=五十嵐文彌(全日本学生選手権優勝)、125kg級=アビレイ・ソビィット(全日本学生選手権3位)の7階級で優勝の可能性を持つ。

 世界王者に輝いた小野が、世界選手権前からの負傷のためこの大会は大事をとって不出場になる可能性があるが、副選手に全日本学生選手権優勝の須田宝がいるので、優勝が見込まれる状況に変わりない。層は厚い。

 勝目、須田、五十嵐の3人の学生王者には確実に優勝を見込みたいところ。残り4選手は、荻野には西内悠人(日体大)、森田には山下凌弥(日体大)、鈴木には神谷龍之介(日体大)、ソビィットにはバトバヤル・ナムバルダグワ(育英大)吉田アラシ(日大)という強敵がいる(前述の通り、86kg級の髙橋海大=日体大=は不出場の前提)。

 優勝3階級、3位4階級としても60点(12点×3+6点×4)。4選手のうち1~2選手が2位か優勝だったり、本来より上の2階級の出場となる97kg級の増田大将(山梨学院大)が3位に近い成績を残せば、合計で70点近くはいく計算。

 「0点」(9位以下)の階級をつくらず、選手が持っている実力を発揮すれば、65点は超えて70点に近い得点を取り、5年ぶりの優勝を引き寄せられるはずだ。

▲山梨学院大をけん引する鈴木大樹主将=2024年7月:東日本学生選手権

二強を崩す大学が現れるか?

 昨年3位の日大は、97kg級にエントリーした全日本選手権125kg級3位の藤田龍星と125kg級に出場する全日本選手権97kg級優勝の吉田アラシの2階級は取りたいところ。61kg級に出場する全日本選抜選手権57kg級3位の永井陸斗、79kg級で全日本学生選手権3位の今井海陽らの踏ん張りで昨年と同じ3位は確保したい。

 東日本学生リーグ戦で日大に続く4位に躍進した中大は、国民スポーツ大会125kg級王者の濱田豊喜を筆頭に、70kg級と74kg級でともに全日本学生選手権3位の山路太心林拳進で活路を開きたい。昨年のインターハイ王者2選手(山口叶太淺野稜吾)を副選手にエントリーせざるをえない層の厚さがある。将来を見越して起用される可能性がある。やはりインターハイ王者で61kg級の正エントリーに名を連ねている大脊戸逞斗とともに来年以降に期待を抱かせる闘いが期待される。

 全日本大学グレコローマン選手権で初優勝を遂げた育英大が、フリースタイルでどんな活躍を見せるかも注目される。125kg級のバトバヤル・ナムバルダグワは優勝候補の筆頭。昨年70kg級2位の本名帝心、97kg級で全日本学生選手権3位の佐々木優太に優勝争いに加わる力があるほか、65kg級で昨年のインターハイ王者の菅野煌大がどこまで上位へ食い込めるか。

 早大は61kg級で全日本選抜選手権2位の山口太一、86kg級で昨年の全日本学生選手権3位の北脇香、92kg級でJOC杯ジュニアオリンピックU20優勝の金澤空大、97kg級に出場するグレコローマン82kg級学生王者の掛川零恩らで得点を重ねたいところ。拓大は92kg級で全日本学生選手権優勝の三浦哲史が優勝を狙え、57kg級で昨年3位の菊地優太らがどこまで踏ん張れるか。

 専大は昨年、57kg級で向田旭登が勝目大翔に勝ったことで、山梨学院大の優勝を阻止した形。今年は61kg級に起用される向田と、57kg級で今年4月に勝目を破っている松村祥太郎の軽量級を中心に、79kg級で全日本学生選手権2位の高原崇陽、74kg級に出場するグレコローマン中心の西田衛人らが上位へ食い込み、優勝戦線に加わりたい。

 各大学には、二強の独走を食い止める意地が期待される。

▲日大を支える吉田アラシ=2023年11月:全日本大学選手権(撮影・成國琴音)

《各階級展望》







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