11月22日(金)~24日(日)に韓国・尚州で行われる「韓国オープン国際トーナメント」に出場する社会人選抜の日本チームが11月20日、成田空港から出発した。男女合わせて23選手が出場する。
藤本健太監督(三恵海運)は、日本選抜チームの監督として遠征に参加するのは初めてとあって、まず「選手の負担にならないように心がけ、試合で力を出せるようにサポートしていきたい」と謙虚な言葉。2028年ロサンゼルス・オリンピックを目指す選手の遠征であることを強調し、「すでに闘いは始まっている。勝つことにこだわる試合をしてほしい」と話した。
今月、三恵海運所属の長谷川敏裕選手の激励でカナダへ行っており、地元の選手から「カナダからも出る」との情報を得ている。「アジア圏以外からも出てくると思う。そのこともふまえ、外国選手との闘いを経験してほしい」と要望した。
鶴巻宰コーチ(自衛隊)は「初めて開催される大会なのでレベルは分からないが、成果を残すべき大会であることは間違いない。全日本選手権まで1ヶ月なので、けがだけは気をつけてほしい」と話す。社会人の大会で活躍している選手の中からオリンピック選手を出すという目的での遠征なので、「ロサンゼルスを見据えて頑張ってほしい」と期待した。
10月に国民スポーツ大会と全日本女子オープン選手権で連続優勝(ともに2連覇)した女子62kg級の類家直美(レスター)は、5年ぶりの全日本選手権制覇を目指す前哨戦。「最近、守ることが多かったので前半から攻める練習をしてきた。その成果を出したい」と気合を入れる。国際大会は久しぶりの闘いとなるが、「ロサンゼルスへ向けての第一歩として、しっかりと勝ち切りたい」と言う。
男子フリースタイル65kg級の諏訪間新之亮(自衛隊)も「久しぶりの国際大会。このあと世界で闘って勝ち抜くためにも、日本選手とは違うスタイルの闘いを経験したい。天皇杯(全日本選手権)で優勝できるようにつなげたい」と気を引き締める。
オリンピックで日本が2連覇している階級。国民スポーツ大会では西内悠人(日体大2年)に敗れており、若い力も台頭していて男子屈指の激戦階級となることを感じている。しかし「勝ち抜かなければ次はない」と語気を強め、4年後へ向けてのステップを目指す。
55kg級時代にアジア王者に輝き、世界選手権3位の成績も残している男子グレコローマン60kg級の塩谷優(自衛隊)は、今年6月の全日本社会人選手権で階級をアップして初めての優勝を経験。今大会は新階級での初の国際大会となる。「体もできてきていい状態になっている。自分の力を出し切り、海外選手の闘い方を感じてきたい」と話し、60kg級での国際大会のタイトルを目指す。
大会スケジュールと日本選手団は下記の通り。
11月22日(金)女子全階級/1回戦~決勝
23日(土)男子フリースタイル/1回戦~決勝
24日(日)男子グレコローマン/1回戦~決勝
【総監督】藤田征宏(猛禽屋)
【監 督】藤本健太(三恵海運)、【コーチ】鶴巻宰(自衛隊)
【帯同役員】田中久雄(日本社会人連盟)
【帯同審判】木村章太(岐阜・大垣工高教)、斎川哲克(栃木・宇都宮商高教)
【男子フリースタイル】
▼57kg級 澤谷 孟(国士舘クラブ)
▼57kg級 佐々木風雅(自衛隊)
▼65kg級 諏訪間新之亮(自衛隊)
▼74kg級 徳力貫太(フローラ)
▼74kg級 高田 煕(自衛隊)
▼74kg級 青柳善の輔(クリナップ)
▼86kg級 福岡大知(PTS/RB)
▼97kg級 吉田ケイワン(三恵海運)
▼125kg級 永野颯大(青森県協会)
【男子グレコローマン】
▼60kg級 荒木瑞生(九州共立大大学院)
▼60kg級 塩谷 優(自衛隊)
▼60kg級 矢部和希(栃木県スポーツ協会)
▼67kg級 萩原大和(自衛隊)
▼67kg級 上垣勇二(自衛隊)
▼67kg級 矢部晴翔(自衛隊)
▼77kg級 樋口徹心(誠光)
▼130kg級 山口直人(山口県協会)
【女子】
▼53kg級 佐々木花恋(安部学院コーチ)
▼57kg級 村山春菜(自衛隊)
▼57kg級 永本聖奈(アイシン)
▼62kg級 類家直美(レスター)
▼62kg級 榎本美鈴(自衛隊)
▼76kg級 松雪泰葉(ジェイテクト)