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2012.06.30

多くの人の支援に感謝…白血病の長島和幸選手(クリナップ)が病状経過報告会見

病状を説明する長島選手(中央)。左は兄・正彦さん、右はクリナップの今村浩之監督。

 2010年アジア大会(中国)の男子フリースタイル74kg級銀メダリストで、昨年秋から白血病と闘っていた長島和幸選手(クリナップ)が6月29日、東京・岸記念体育会館で病状の経過報告会見を行った。

 長島選手は昨秋に病気が発見され、都内の病院に入院。12月1日には病気を公表し、年末の全日本選手権は欠場していた。3クールの抗がん剤投与を経て、今年2月14日に双子の兄・長島正彦さんから骨髄移植の手術を受け、3月に退院。現在まで自宅療養を続け、容態が安定したことで、本人の希望もあり会見する運びになった。

 会見には、クリナップの今村浩之監督と骨髄移植ドナーとなった正彦さんも同席し、3人で行われた。和幸選手は、「昨年、闘病報告の情報を発信したところ、新聞やインターネットで多く取り上げられ、レスリング関係者以外からも多くの支援をいただいた。情報発信に努めていただいた報道関係者の皆様や、支援をしてくださった下にお礼を申し上げます」とあいさつ。

 今村監督によると、支援金は615件ほどにのぼり、「中には何度も支援してくださる方もいました」と多くの人の支えがあったことを報告した。最新の医療を受けた和幸選手は順調に回復。和幸選手は「移植して4ヶ月が経ち、体調も悪い時もあったけど、今はジョギングくらいはできている」と現状を報告した。

 正彦さんはが「治療が進む中、弟に何か手助けがしたいと強い思いを募らせていたところ、医師から移植の説明があった。みなさんの支援に感謝するとともに、本日を迎えられたことに深く感謝します」と話すように、和幸選手が白血病を克服できたのは、骨髄が100パーセント一致している双子の兄弟の存在が大きかった。

■「オリンピックに出る選手を心から応援したい」

 和幸選手は、「白血病を宣告された直後の数日間は、死を意識していた。体も危険な状態で、このままだと命を落としてしまうと思った。物理的に、私の兄から造血幹細胞移植(骨髄移植)がなければ、私の命はなかった」と振り返った。

長島選手を最も身近で支えたリンデル夫人とともに

 だが、精神的に支えたのは他の要因だった。「病気を克服したことについて、何が一番だったということはありません。家族のサポート、皆さま一人一人のメッセージが私の支えになりました」と、支援者全員に感謝の意を表した。ロンドン五輪の代表に決まった選手からも直接メッセージのやり取りがあったようで、「骨髄移植頑張って下さい。絶対に大丈夫ですから、といったメッセージをもらい、自分は一人ではないという気持ちになれた」と振り返った。

 8月にはロンドン五輪が控えており、和幸選手が活躍した男子フリースタイル74kg級は、高谷惣亮選手(ALSOK)が日本勢として2大会ぶりに出場する。和幸選手は「オリンピックに出て優勝することを目標としていたので、出られなくて残念だし、悔しいです。でも、一緒に練習してきた仲間がオリンピックに出るので、優勝を目指してほしい。心から応援して観戦したいです」と、戦友の活躍をしっかりと見届ける。

 今後については、「現在の段階でレスリングをする自信はないけど、将来は指導者などとしてレスリングに関わった仕事をしていきたい」と言う。現在、白血病で闘病中の方たちに向けては「医学は発達していて、いろんな研究がされている。私は現代医学を信じて回復できました。他の患者さんには『安心してください』と言いたい」とエールを送った。

(文・撮影=増渕由気子)







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