世界グラップリング＆アマチュアＭＭＡ選手権（ポーランド）出場選手が出発
“関節技のあるレスリング”グラップリングなど国際レスリング連盟（FILA）が五輪種目入りを目指すレスリングの新スタイルの世界選手権（ポーランド・クラクフ）に出場する５選手が11月13日、成田空港発のアエロフロート航空で向けて出発した。
今回実施されるのは、グラップリング（Gi＝道着着用、No-Gi＝道着なし）、パンクラチオン、アマチュアＭＭＡ（総合格闘技）の４種目。グラップリングとパンクラチオンは、来年10月にロシア・サンクトペテルブルグで行われる第２回スポーツ・アコード・コンバット大会の予選を兼ねている。
決戦の地へ向かった選手。左から、寺本大輔、白井正良（コーチ兼選手）、水洗裕一郎、田中千久。
大会は当初ロシアで行われる予定だったが、諸事情により、急きょポーランドで行われることになった。２年前の大会と同じ場所だが、その時の運営はかなり未熟で、トーナメント表がなかなか出てこないなど戸惑うことが多かったという。「今回はどんな大会になるでしょうか。ちょっと心配です」と、選手のコンディショニングや気持ちの面で不安があるという。
しかし、スポーツ・アコード・コンバット大会の予選でもあり、「全員を出場させてやりたい」と必勝を期す。
■グラップリン Gi＆No-Gi 92kg級・久能孝徳（チーム太田章）「スポーツ・アコード・コンバット大会の出場がかかっています。GiとNo-Giの両方での優勝を目指します。特別な緊張はなく、いい集中ができています。（開催地が急きょ変わったが）ポーランドは２年前に優勝した場所なんです。ゲン（縁起）がいいので、運が自分に味方しているんだな、と思っています」
■グラップリング No-Gi 71kg級・寺本大輔（社会福祉法人朋光会＝和術慧舟会横浜）「初めての海外の試合なので不安はありますが、出るからには優勝を目指します。来年以降につながる内容を残したい。師匠の磯野元さんが昨年、Gi-75kg級で３位に入っており、いろいろとアドバイスを受けてきました。これまで出た日本選手と比べて実力が劣っているとは思わない。一本を極めにいきます」
■Gi＆No-Gi 62kg級・水洗裕一郎（東芝テクノネットワーク＝X-TREME柔術アカデミー）「ブラジリアン柔術を10年やっており、並行してグラップリングに取り組みました。10年の集大成を出したい気持ちでいっぱいです。柔術よりグラップリングの方が自分のスタイルに合っていると思うので、動いて関節技を決める闘いをしたい。来年の目標（スポーツ・アコード・コンバット大会）もありますし、今回優勝し、来年も出られるように頑張りたい」
■アマチュアＭＭＡ 66kg級・田中千久（パラエストラ町田）「怖いのと楽しみと、両方の気持ちがあります。どちらかというと楽しい方が強いかな。（これまでアマチュア修斗などに出ていて）結果は残していませんが、マットに立ったら過去の成績は関係ない。目の前の相手を倒すだけ。総合歴８年のすべてを出し、勝負してきます」
大会は15日（木）にパンクラチオン、16日（金）にアマチュアＭＭＡ、17日（土）にグラップリング No-Gi、18日（日）にグラップリング Giが行われる。
グラップリングなどはFILAがレスリングの新スタイルとして認定し、世界への普及と五輪種目の採用を目指しているスタイル。2008年に第１回の世界選手権がスタートし、2010年にはグラップリングGi-90kg級で久能孝徳（チーム太田章）が、パンクラチンで山田崇太郎（Brave）が優勝している。
※スポーツ・アコード・コンバット大会＝国際オリンピック委員会（IOC）が承認するスポーツ団体「スポーツ・アコード」（非五輪競技を含めて108競技団体が加盟）が主催する格闘技の総合大会。日本語に訳するなら「世界格闘技大会」。
第１回は2010年に中国・北京で13の格闘技が参加して行われ、第２回は来年10月18～26日にロシア・サンクトペテルブルグで15の格闘技が参加して行われる。
第１回大会のレスリングは、グラップリング、パンクラチオン、ベルトレスリング、女子が実施された。来年の大会は男子フリースタイル、男子グレコローマン、女子、グラップリング、パンクラチオン、トラディショナルレスリングが行われる。
