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キューバ遠征の男子グレコローマン選手が帰国

 キューバに遠征していた男子グレコローマンの3選手が2月25日、羽田空港着の航空機で帰国した。3選手はキューバの首都、ハバナで行われた「グランマ&セーロ・ペラド国際大会」に出場し、59kg級の太田忍(ALSOK)が決勝で、文田健一郎(日体大)を下して優勝。文田は銀メダルで、66kg級に出場した高橋昭五(日体大)も銀メダルを獲得。昨年リオデジャネイロで2階級を制したグレコローマンの強豪、キューバの国際大会で全員がメダルを獲得した。
 
 近年、交流がなかったキューバへの遠征を引率した松本隆太郎コーチ(日体大職)は、「今回の遠征は情報がなくて、本当に現地に着いてから手さぐりでやってきました。遠征の内容は、13か国が集まった試合に出場したあと、4ヶ国程度が残って合同練習をしました。キューバのレスリングはヨーロッパとスタイルが異なったことが印象的でした。キューバの練習は試合前だったこともあると思いますが、短期集中型で1時間程度だった」と遠征を振り返った。
 
 「グランマ&セーロ・ペラド国際大会」の会場は、全日本選手権が行われる代々木第二体育館より、少し小さめだったそうだが、「会場のノリはとてもよかったです。一般のお客さんもレスリングをよく知っている感じ」だったそうだ。街を歩いていても、「レスリングか」と声をかけられることも多く、会話の中でオリンピック3大会連続金メダリストのミハイン・ロペス(グレコローマン130kg級)の名前がよく出てきたことから、ロペスの国民的人気の高さがうかがえた。

 もともとキューバ遠征は、強化委員会で「オリンピックで2階級制覇した国に派遣したい」という意向を汲み取って実現に至った。残念ながら、金メダリストは試合には出場せず、対戦することはできなかったが、内容は実りあるものだったそうだ。

 出発時に、試合で太田と文田の日本人選手同士で決勝をしたら嬉しい悲鳴と話していた松本監督が話した通りにの結果になった。「太田、文田は世界で飛びぬけた存在ではないが、確実に世界のトップ集団にいると感じた」と手ごたえもつかんだ様子だった。
 
 インターネットなどが満足に使えないなど不便なところはあったが、ヨーロッパとは違った一面を持つレスリング強豪国は松本監督にとって好印象だった。「また行きたい。今度は合宿メインで行きたいですね」と振り返った。(取材・撮影=増渕由気子)
 

 ■59kg級優勝・太田忍「試合では攻め切れず、リードしたらいいや、みたいな感じになってしまって残念だった。(文田との)決勝は、最初の展開で追いつかれて、取り返せばいいやという展開になって、いつでも得点できるという自信があった。今回は、キューバ遠征前の沖縄合宿での練習が大きかった。やっぱり僕は練習してナンボの選手なんだと思いました。オリンピック前とはいかないけど、6分間闘える自分が戻ってきてた。収穫はたくさんありましたが、(オリンピック王者の)ボレロと試合も練習もできなかったことは残念でした。自信がついたので、全日本選抜選手権ではテクニカルフォールを連発して勝って、世界選手権に行きたい」

 ■59kg級2位・文田健一郎「海外で、しかも2kgオーバー計量ということで、力を出し切れなかった。(太田との)決勝は点の取り合いになったけど、自分が仕掛けた結果、ポイントを取られたところもあった。お互いにポイントを取り合うスタイルなので、一歩先に出る力をつけていかないといけない。キューバの練習環境はよくなかった。オリンピック・チャンピオンがいる国なのに、マットは汚く、割れていたり。それでも強くなれるのだから、環境のせいにできないなと思った。どの選手も練習から強くて、どん欲さがあり、ポイントを死にもの狂いで獲りに来ていた。トレーニングは、スパーリング重視で特別珍しいことはしていなかった。やはりスパーリングが重要だし、数をこなすことが大事だと思った」
 
 ■66kg級2位・高橋昭五「銀メダルということで、一応2番になったのですが、キューバの1番手の選手が出場していなかったので、2位といっても微妙な気持ちです。キューバの選手たちはほんとに腕取りばかりで、徹底してやっていた。キューバのチャンピオンとも練習で手合せする機会があり、腕取りからの攻撃でボコボコにやられました。体力やパワーは劣ってないと感じたけど、ツーオンワンの技術の高さや、脚の使い方が際立っていた。今回の遠征では、忘れ物が多く、冷や汗をかきました。遠征の経験値は上がったと思います」

 

 
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