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2017.06.22

【全日本選抜選手権・特集】冬の度重なる国際大会で実力アップ、世界選手権へ挑む…男子グレコローマン66kg級・高橋昭五(警視庁警察学校)


(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)

 「結果を残せて素直にうれしい」。全日本選抜選手権の男子グレコローマン66kg級で優勝した高橋昭五(警視庁警察学校)は、優勝インタビューで開口一番白い歯をこぼした。

 今春、日体大を卒業し、警視庁警察学校へ。新しい環境で迎えた国内初の大会だった。決勝では昨年の国体で辛酸を嘗めさせられた川瀬克洋(シリウス)にいきなりそり投げで投げられそうになったが、投げをつぶしてピンチを脱した。その直後には得意の巻き投げ一閃。これが見事に決まってビッグポイントを獲得した。

 「どんどん前に出てプレッシャーをかけ、巻き投げを狙う。僕の得意なパターンでしっかり4点をとることができました」。川瀬はすぐ2点を返すが、高橋の足に触れていたため、これはノーポイントに。

 第2ピリオドに入ると、川瀬は一本背負いを仕掛けるなど必死に反撃を試みるが、点数には結びつかず。結局、高橋が4-1のスコアで勝ち、この大会2連覇、全日本選手権に続く優勝を成し遂げて世界選手権行きのキップを手にした。

 小林大樹(日体大)との2回戦と澤田夢有人(日体大)との準決勝も僅差の勝負だったが、それには理由がある。今回の対戦相手は、いずれも高橋と同じ日体大の出身もしくは現役の学生だったからだ。

 高橋が苦しい胸を内を明かす。「最後の最後まで一緒にスパーリングをしていた後輩だったのでやりづらかった。お互い手の内はわかっているので、どういうふうに攻略しようかと考えていました」

■世界カデット王者を破って世界へ飛躍

 発奮材料もあった。5月12日には5歳年上の兄で総合格闘家の高橋遼伍が、フランスの強豪を相手にローキックを武器に豪快なKO勝利を飾っていた。高校入学後にレスリングを始めたきっかけは、兄がやっていた総合格闘技を「やりたかったから」だ。

 しかし、高校時代にレスリングで頭角を表すと、当時、高橋を指導していた井上智裕(リオデジャネイロ・オリンピック・男子グレコローマン66㎏級5位)は「高橋、おまえは特別だ。高校から初めて、わずか2年半で(全国大会に)入賞するヤツはまずおらん」と、レスリングを続けることを促した。

 勝てば楽しい。レスリングを続けていくうちに、結局、高橋はずっとレスリングで行こうと心に決めた。最初の転機は、大学2年の時のJOC杯の1回戦で実現した山本アーセン戦だった。

 「(山本は前年度の世界カデット選手権で優勝していたので)組み合わせが発表された時点で、内輪でも盛り上がって、松本(慎吾)監督やコーチからメチャクチャ圧をかけられました。結局、アーセンに勝って大会にも優勝したら、世界ジュニア選手権とかの大きな大会に派遣してもらえるようになったんですよ」
 
 シニアの海外遠征で海外勢の身体の大きさを目の当たりにすると、高橋はさっそく肉体改造にとりかかった。「例えばロンドン・オリンピック55㎏級金メダリストのスーリアン(イラン)は自分が想像していた以上にでかかった。これで1階級下の選手だから、自分もどうにかするしかないなと思いましたね」

 大学時代に継続的に続けた筋力トレーニングの数値は右肩上がり。大学2年の時に174㎏しかなかった背筋力は、卒業時には250㎏まで上がった。大学のOBにトレーニングから食生活まで事細かに指導してくれる人がいた効果は絶大だった。「レスリングの場合、世界で勝たないと評価されない。だったら、世界で勝つためのレスリングをしないといけない」

 米国、キューバ、ハンガリー、インド(アジア選手権)-。今年に入ってからの度重なる海外遠征で、世界で自分のどこが通用するかを知った一方、どこが課題なのかも見えてきた。初めての世界選手権で、高橋はどんな収穫を得ることができるだろうか。


 







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