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2017.08.25

【2017年世界選手権・特集】世界選手権優勝なしのチャレンジャーを自覚して発奮…女子60kg級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)


決勝戦、開始から積極的に攻めた川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)

 【パリ(フランス)、文=増渕由気子】3度目の正直となる世界制覇! 世界選手権女子60kg級は、リオデジャネイロ・オリンピック63kg級金メダルの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)が決勝でアリソン・マケンジー・ラガン(米国)を終始攻め続け、最後は豪快な4点タックルを決めてテクニカルフォール勝ちを決めた。

 オリンピック・チャンピオンとして臨む初めての世界選手権では、妹の友香子(至学館大)が63kg級で出場すると、姉と間違われてシード選手になるハプニングが起こるほど知名度は抜群。長らく日本をけん引してきた吉田沙保里や伊調馨が不在の世界選手権で、日本女子のエースとして登場した。

 58kg級から2階級上げて63kg級のオリンピックを制した川井は、この階級での出場にも自信に満ちあふれていた。研究されていても、組手を駆使して自分のレスリングをすれば、階級や相手が変わっても勝ち抜ける-。

 だが、予想以上に川井包囲網は広まっていた。初戦、2回戦と先制点を許し、追いかける展開に。初戦は相手が負傷し、途中棄権だったが、2回戦のモンゴル戦は激しい攻防を繰り広げ、6-2のスコア以上に苦戦を強いられた。マットを降りる際の表情は、見たことがないほど険しかった。

 「1回戦、2回戦と点数を取られ、久しぶりに苦しい試合をした。研究されるってこういうことなんだなって思った。あらためて沙保里さん、馨さんの偉大さを知った。(オリンピック後、本来の階級に戻しても)アジア選手権など順調に行きすぎていて、世界選手権でも大丈夫なんだろうなと思ったところがあった。やっぱり勝負は甘くない」。

 世界を10年以上優勝し続けた2人のレジェンドを引合いに、自分がまだその領域に達してないことを実感。1、2回戦の苦戦で、川井は自分が世界選手権で優勝したことがないチャレンジャーなのだとはっきりと自覚した。

直前の試合で本命が負ける…リオデジャネイロの状況が再現

 変わり始めたのは準々決勝。ようやく一方的な攻撃でテクニカルフォール勝ちを収め、準決勝では、川井の真骨頂であるスピードあるタックルも鮮やかに決めた。

齊藤将士コーチにかつがれウイニングラン

 調子が戻りつつある中、決勝戦前に、さらに川井は気を引き締める出来事が起こった。この日は、4階級中全階級で日本が決勝進出。69kg級の土性沙羅(東新住建)、48kg級の須崎優衣(東京・安部学院)が金メダルを獲得し波に乗っていたが、昨年55kg級で世界女王になった向田真優(至学館大)が残り数秒で逆転を喫し、銀メダルに終わった。

 「オリンピックの時と同じ、(53kg級の選手が)自分の目の前で負けた。勝負は何が起こるか分からない」―。

 勝てるだろう、という気持ちは一切なくなり、すっかりチャレンジャーの顔に。世界選手権初制覇を目指して、力を十分に出し切っての勝利だった。「苦戦したことで、課題や伸びしろが見つかった大会になった」と今後のモチベーションも見つけた。

 奇しくもこの日、新階級が発表された。当初オリンピック階級だと思われていた60kg級は外され、川井の体格からすると57kg級か62kg級のどちらかになった。「減量は嫌いですが、今後のことは妹と相談して決めます」。

 オリンピックを制し、世界選手権も優勝した。川井梨紗子のビクトリーロードは、まだまだ始まったばかりだ。


 







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