【2017年世界選手権・レビュー（21）】男子フリースタイル70kg級／決勝・表彰式・メダリスト略歴

【男子フリースタイル70kg級・決勝】
Chamizo, Frank（イタリア）○［8-0］●Green, James（米国）

2015年の65k級に続き、70kg級で優勝したフランク・チャミゾ（イタリア）＝撮影・保高幸子

左から2位＝ジェームズ・グリーン（米国）、優勝＝フランク・チャミゾ（イタリア）、3位＝藤波勇飛（山梨学院大）、アクズレク・タナタロフ（カザフスタン）＝撮影・保高幸子

【男子フリースタイル70kg級・優勝】Chamizo, Frank（フランク・チャミゾ＝イタリア）

　1992年7月10日生まれ、25歳。キューバ生まれ。8歳からレスリングを始める。2010年にシニアのパンアメリカン選手権55kg級で優勝するとともに、世界選手権でも3位に入賞。2011年にも世界選手権に出場したが（12位）、イタリアへ亡命し、2012年ロンドン・オリンピックは出場できず。

　2013年からイタリアの選手として国際舞台での活動を再開。2015年に65kg級でU-23欧州選手権優勝、欧州大会2位の好成績を残した後、世界選手権で初優勝した。イタリアの選手としては初の世界一。2016年リオデジャネイロ・オリンピックは不可解な判定もあって3位に終わる。2017年から70kg級へ上げ、欧州選手権優勝のほか、アリ・アリエフ国際大会（ロシア）とイオン・コルネアヌ国際大会（ルーマニア）でも勝ち、世界選手権で2大会連続優勝を遂げた。

　《１回戦～決勝の成績》
決　 勝　○［8-0］Green, James（米国）
準決勝　○［5-2］Gor, Yakup（トルコ）
3回戦　 ○［Ｔフォール、2:56=12-0］Tanatarov, Akzhurek（カザフスタン）
2回戦　 ○［フォール、1:53=12-0］Dogdurbek Uulu, Elaman（キルギス）
1回戦　 ○［9-5］Navruzov, Ikhtiyo（ウズベキスタン）

【男子フリースタイル70kg級・2位】Green, James（ジェームズ・グリーン＝米国）

　1992年12月19日生まれ、24歳。7歳からレスリングを始める。2013年ユニバーシアード66kg級で国際舞台にデビューし（12位）、2015年スペインＧＰ70kg級で優勝。同年の世界選手権3位など実績を積んだが非オリンピック階級だったこともあって、リオデジャネイロ大会は出場できず。

　2016年世界選手権70kg級で7位となり、2017年パンアメリカン選手権優勝。7月のスペインＧＰも勝ち、世界選手権へ臨んだ。

【男子フリースタイル70kg級・3位】藤波勇飛（山梨学院大）

　1996年５月27日生まれ、21歳。2009～11年全国中学生選手権で３連覇、2013年に世界カデット選手権２位、2014年高校四冠王者などを経て、2015年は全日本選手権２位。翌春のオリンピック最終予選に出場。

　2016年は70kg級で学生二冠王に輝いたほか、世界ジュニア選手権66kg級で３位。2017年に70kg級へのアップを正式に決め、全日本選抜選手権を制した。

【男子フリースタイル70kg級・3位】Tanatarov, Akzhurek（アクズレク・タナタロフ＝カザフスタン）

　1986年9月3日生まれ、30歳。10歳からレスリングを始める。2003年アジア・カデット選手権69kg級4位で国際舞台へ。2008年北京オリンピックと2012年ロンドン・オリンピックは予選出場の機会を得たが生かせなかった。

　74kg級へ上げたが、なかなか世界やアジアの上位には食い込めず、2016年リオデジャネイロ・オリンピックも出場できず。しかし2017年アジア選手権70kg級で優勝し、弾みをつけて世界選手権で銅メダルを手にした。