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2012.08.26

【全日本学生選手権・特集】2年前のアジア・チャンピオン、やっと開花!…女子72kg級・飯島千晶(日大)

(文・撮影=樋口郁夫)

決勝で闘う飯島千晶(赤)

 全日本学生選手権の女子72kg級は、昨年の全日本選手権67kg級2位の飯島千晶(日大)が優勝。3年前に1年生で67kg級を制して以来、最後の学年にして2度目の学生チャンピオンに輝いた。チームの後輩が67kg級に出場するため、1階級上での出場だったが、その壁を乗り越えての栄冠だった。

 決勝の相手は4連覇を目指していた佐藤文香(至学館大)。「小学校の頃から10回くらい闘い、1度も勝てなかった相手」とのこと。高校2年生の時に闘ったあと、階級が違ったので闘うことはなかったが、心の底に苦手意識のある相手だった。

 佐藤の方も、階級が上になった飯島とは闘いたくなかったようだ。本来の階級ではなく72kg級にエントリーしたのは飯島との対戦を避けるためだったという。結果として同じ階級に出場することへ。

 そんな両者の意識のせいか、試合はともに相手の出方を見る慎重な展開となり、第1ピリオドは0-0のまま2分間を終了。飯島がクリンチの攻撃権を取ってこのピリオドを制した。しかし第2ピリオド、飯島が「相手が攻めてきたところをうまく反撃できた」のを機にエンジンをかけ、グラウンドも返して快心の攻撃を見せて優勝に花を飾ることができた。

 「佐藤選手に初めて勝てたことがうれしい。今回は学生最後の試合だったので、ぜひ勝ちたかった」。にっこりの飯島は「夏の隠岐合宿、十日町合宿で、しっかりと練習をこなすことができたことがよかったと思います」と勝因を語った。

■リオデジャネイロ五輪の72kg級代表を目指す!

 3年前に1年生学生チャンピオンになったあと、全日本レベルの大会で優勝することがなく、恵まれた才能を生かし切れていなかったが、1度だけ注目を浴びたことがある。2010年アジア選手権(インド)67kg級で、山本聖子(63kg級)や井上佳子(72kg級)らの有望選手が優勝を逃す中、日本チーム唯一の金メダルを獲得したことだ。

シニア初の国際大会となった2010年アジア選手権。中央で誇らしく金メダルをかざす飯島

 「シニア初の国際大会で、訳も分からずがむしゃらにやったら勝てたんです」と謙そんしたが、がむしゃらさだけで勝てるほどアジアのレベルは低くない。才能は十分。それだけに、今後の飛躍が期待される。

 卒業後は警視庁への就職が決まり、腰を落ち着けて2016年リオデジャネイロ五輪出場を目指す。そのためには五輪実施階級の72kg級に正式にアップすることになるが、学生生活最後の全日本選手権(12月)は、67kg級にするか72kg級にするかは思案中。67kg級で全日本チャンピオンとなり、地固めをしてから72kg級へ挑むこともあるという。

 「まだ鈴木さん(博恵=9月の世界女子選手権72kg級代表)とも実力差を感じます」とのことで、63kg級世界最強の伊調馨とは「相手になりません。ボコボコにされます」と笑う。伊調の強さは「組み手(争い)が止まらず、どんどん崩されていく」そうで、それは世界で勝つために自分が身につけなければならないことと感じている。

 「とにかく全日本選手権で優勝したい」。今回の優勝はワンランクアップするための貴重なステップとなることだろう。







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