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2013.04.30

【JOC杯・特集】4年ぶりの国内戦でタイトル獲得! ハンガリーで修行中の佐々木アーセン


(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)

JOCジュニアオリンピックカップのカデット・男子グレコローマン69kg級は、元世界女王・山本美憂さんの長男の、佐々木アーセン(ハンガリー・バビロンハイスクール)が大会初出場で初優勝を決めた。

 佐々木は4年前の全国中学選手権に出場したあと、ハンガリーに単身留学。現在16歳で、ハンガリーのインターナショナル高校の2年生に相当するクラスに通学。4年間の地道な努力で、「ハンガリー語は一応ペラペラになりました」と生活面でも充実した日々を送っている。今大会は、一時帰国して4年ぶりの国内戦に出場。それを優勝で飾った。

■ハンガリーのオリンピック選手とも練習

 母の美憂さんは来場しなかったが、セコンドには祖父で1972年ミュンヘン五輪代表の山本郁栄氏がつき、マットサイドには叔父の総合格闘家の山本“KID”徳郁が声援を送るなど豪華な顔ぶれ。レスリング一家の血に欧州仕込みの技が覚醒したのか、佐々木は決勝で櫻庭功大(秋田・秋田商高)を2-0で破って優勝した。

佐々木は試合直後のインタビューで、真っ先に「(高校生は同大会に出場資格が必要だが、ハンガリー国内での大会実績などが考慮され)協会推薦をいただいて出場させていただきました」と、特別に出場を許可した主催側に感謝の意を表した。

 久々の日本のマットについては、「初日は本当に本当に緊張しました」と苦笑いを浮かべたが、全体を通して「気持ちよくやれた」と満足そう。現在のレスリングの練習環境は、学校の部活動ではなく、ムーラードというクラブチーム。「グレコローマンが好きで、今はグレコに絞って練習しています」という。

 オリンピック選手もいるチームで、今はその選手のトレーニングパートナーに選ばれ、ハンガリーのナショナル合宿にも参加していることが成長につながっているようだ。

 スター一家に生まれた佐々木の夢は、五輪出場、そして世界選手権優勝だ。「みんな(祖父、母親、叔母の元世界女王の聖子、叔父のKID)を自分は超えたいので頑張りたい」と、グレコローマンの強国で近隣諸国にアクセスしやすいハンガリーを選び、渡欧して4年が経った。

■グレコローマンをやるなら、ハンガリー!

日本の高校生はフリースタイルが主体だが、欧州は幼少からグレコローマン主体の選手が多い。その中でもまれ、4年ぶりに日本のマットに立った佐々木のパワーは本物。「リフト技も簡単にできて、気持ちがよかったです」と会心の優勝だった。だが、「ヨーロッパとアジアのスタイルは違うので、課題が見つかり勉強になった」と得るものもあった。

 大会の後はすぐにハンガリーへ戻って練習を積む予定。「今はできるだけハンガリーにいたい。友達と離れてさびしいですけど、(グレコローマンをやるには)日本より勉強になります。遠征でクロアチアなどにも行きました。これもオリンピックに出て恩返しするためです」と、高い意識で臨んでいる。

 叔父のKIDも「会うたびに成長している。今後も日本の大会に出て、ガンガン魅せるレスリングをしてほしいね」とエール。

 レスリング界きってのサラブレット、佐々木アーセンが潜在能力をいかんなく発揮したJOC杯だった。

 







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