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2013.09.08

約7ヶ月間の闘いに審判…8日に2020&24年オリンピックの追加実施競技が決定

 約7ヶ月間の闘いに、いよいよ審判が下る-。国際オリンピック委員会(IOC)は、現在アルゼンチン・ブエノスアイレスで行っている総会で、8日に2020年と2024年オリンピック大会で実施される追加競技(1競技)を決める。候補に残っているのは、今年2月の理事会で中核競技に入らず実施競技からひとまず除外されたレスリングと、スカッシュ、野球&ソフトボールの3競技。

 現在のIOC委員は103人で、IOCによると2人は欠席とのこと。ジャック・ロゲ会長(ベルギー)は投票に加わらないため、100人の委員による投票で決まる。

 8日は、初めに2月の理事会決定を承認するか否かの投票が行われる。スケジュールは承認されることを前提に組まれているが、委員の中にはレスリングを外した2月の理事会決定に対する反発がかなりあるため、否決という可能性も考えられる。

 そうなった場合、2月の理事会決定以前の状態に戻るわけだが、その後、どういった手順がとられるかは明示されていない。

 フランスの通信社AFPは2月の理事会直後、IOC委員が以前から除外候補の選定という重要な案件が15人の理事による投票で決まることに怒りの声を挙げていたことを報じ、今回、古代オリンピックから実施され続けてきた数少ない競技の一つであるレスリングが除外候補となったことで、「委員はさらに反発を強め、その怒りが9月7日から10日にかけて開かれる総会で手が付けられない状態になる可能性もある」としている。

 理事会決定が承認された場合は、野球&ソフトボール、スカッシュ、レスリングの順でプレゼンテーションが行われ、正午(日本時間9日深夜0時)から投票。過半数を獲得するか、そうでない場合は最下位得票の競技を外して決選投票が行われる。発表は午後1時(日本時間午前1時)とされているが、時間は流動的。

■7ヶ月間で大幅な改革を達成した国際レスリング連盟

 国際レスリング連盟(FILA)は2月のIOC理事会決定のあと、除外された最大の原因はFILAの組織上の改革の遅れてあることを把握。独裁的な運営で旧態依然とした組織に手をつけず、IOCと積極的なコンタクトを取らなかった会長を更迭。ネナド・ラロビッチ会長代行(5月から会長)のもとで数々の組織改革に着手した。

 IOCから指摘のあった選手委員会や女性委員会の新設、女性理事採用の方針を打ち出すとともに、技の展開が活発になるようなルールに変え、政治的に対立している米国、ロシア、イランが親善試合を行うことで世界をひとつにできるスポーツであることを示した。

 メディア対応の遅れをばん回するため、IOCのプレスコミッションの元メンバーを広報担当に就任させ、ホームページやフェイスブックの充実など広報体制を刷新。日本で約94万人分の署名を集めるなど世界からの草の根レベルの支援を受け、候補競技を絞る5月29日のIOC理事会(ロシア・サンクトペテルブルグ)では最終の3競技に残った。

 理事14人の投票では、1回目で過半数の8票を獲得。その時に1票だったスカッシュ、0票だった野球が、複雑な投票過程の結果の末に残った。この段階で、9月の総会でのレスリングの残留はかなり有力視され、共同通信は、スカッシュを支持するIOC委員の「残念ながら、すっかりその(レスリング残留)流れができてしまった」、3大会ぶりのオリンピック復帰へ道が開けた野球・ソフトボールの国際競技連盟関係者の「残念ながら9月に当選するのはわれわれではなくレスリングだ」といったコメントを報じている。

 IOCのロゲ会長もレスリングの改革を高く評価したが、FILAはその後も改革の手を止めず、6月末には、2020年大会に存続する場合に実施する予定だった3スタイル各6階級を、2016年リオデジャネイロ大会に前倒しして実施することをIOCに提案。8月のIOC理事会で承認を受け、男女格差是正の姿勢をアピール。

 8月の世界ジュニア選手権(ブルガリア)と世界カデット選手権(セルビア)では、メディア・チームを派遣してインターネットでの生中継やホームページでの速報を実施し、世界のサポーターの期待にこたえた。

 こうした改革が高く評価され、現段階で世界の主要メディアの多くがレスリングの優勢を伝えている。今回の総会で会長選挙に立候補する6人のうち、トーマス・バッハ副会長(ドイツ)、セルミャン・ウン副会長(シンガポール)、セルゲイ・ブブカ理事(ウクライナ)、デニス・オズワルド委員(スイス)の4人がレスリングの存続を支持、または予測する状況へ。

 セルミャン・ウン副会長は、2月のIOC理事会のあと、「今に始まったわけではない。国際競技連盟(IF)の問題だ」とレスリング除外の理由を話していた人物。その副会長が先月末、中国の新華社通信に「FILAは最高の改革を行った。女子の階級を増やし、ルールを変えた。私はレスリングが2020年大会でオリンピック競技の地位を取り戻すことは非常に有望だと思う」と話しており、FILAの改革を高く評価した。

 レスリングの存続の機運は高まっている。


 







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