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2015.02.18

2020TAコンソーシアム 海外育成プログラム(2)…男子グレコローマン カデット世代・女子カデット世代/ジュニア世代 海外育成プログラム

2020TAコンソーシアム 海外育成プログラム(2)
男子グレコローマン カデット世代・女子カデット世代/ジュニア世代 海外育成プログラム

2020TAコンソーシアム
プロジェクトマネジャ― 清水聖志人


 2011年に制定した「スポーツ基本法」は、我が国におけるスポーツの施策策定および実施を国が責任を持って行うことを明確に示した。それを受けて2013年に策定された「スポーツ基本計画」に則り、文部科学省は新たな事業を実施している。

 その中の一つが、独立行政法人日本スポーツ振興センターが委託を受け、本協会が受託している2020ターゲットエイジ育成強化プロジェクト「タレント発掘・育成コンソーシアム」(以下、2020TAコンソーシアム)である。本事業は、各世代のタレント選考基準の作成や国内・海外育成プログラムの高品質化に注力し、JWF独自の発掘・育成・強化システムの構築に向け、アスリート選抜システム構築事業を推進する。

 2014年11月1日(土)~11月8日(土)の期間、2020TAコンソーシアムの一環にて展開する「海外育成プログラム」に男子グレコローマンスタイルカデット世代の選抜メンバー3名、女子カデット世代・ジュニア世代の選抜メンバー8名とスタッフをアゼルバイジャン共和国・バクーに派遣した。

 派遣メンバーは、「第1回男子U-15/カデット世代グレコローマンスタイルスペシャリスト育成キャンプ」、「第1回女子U-15/カデット世代育成キャンプ」の参加者より選抜された。

 レスリングの2020TAコンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内育成プログラムによって育成を行う。国内育成プログラムに参加した中で、特に優秀なタレントには海外における実践機会を提供する(海外育成プログラム)。

 グレコローマンスタイルに関しては、2014年世界カデット選手権及び世界ジュニア選手権の国別対抗戦優勝という結果より、グレコローマンの育成が最も進んでいると考えられることから同国を海外育成プログラムの候補地として選定した。

 女子に関しては、2014年世界ジュニア選手権の国別対抗戦3位という結果や、シニアにおいて48kg級のマリア・スタドニク選手や58kg級のユリア・ラケトビッチ選手など世界選手権優勝経験者を擁しており、日本に次いで女子レスリングの育成・強化が進んでいると考えられることから同国を海外育成プログラムの候補地として選定した。
 

【対象タレント】

■グレコローマンスタイル
鈴木絢大 静岡県:飛龍高等学校
梅林太朗 東京都:帝京高等学校
吉田隆起 和歌山県:和歌山北高等学校
 

■女子
田南部夢叶 東京都:稲付中学校
須崎優衣  東京都:稲付中学校
中村未優  埼玉県:埼玉栄高等学校
五十嵐未帆 愛知県:至学館高等学校
谷口由夏  大阪府:堺リベラル中学校
奥野春菜  重県県:久居高等学校
川井友香子 愛知県:至学館高等学校
入江くみ  福岡県:小倉商業高等学校
 

【アゼルバイジャン代表との合同キャンプ及びトレーニングマッチ】

 首都バクーに所在するナショナルトレーニングセンターは、14面のマットが敷かれており、ウェイトトレーニング場、サウナ等が常設されており、非常に恵まれた環境であった。

 グレコローマンに関しては、カデット代表、ジュニア代表、シニア代表がそれぞれ独立してトレーニングを行っており、今回の参加メンバーは、カデット世代の練習のみではなく、ジュニア世代、シニア世代のトレーニングにも参加した。世代によってトレーニングメニューが異なり、年代やレベルに応じたトレーニングが展開されていた。なお、アゼルバイジャンチームは、キャンプ中にメンバーを競わせ、競争から漏れたメンバーに関しては、キャンプ途中での退出が命じられており、国内競争の激しさを垣間見ることが出来た。

 カデット世代との合同練習最終日に、鈴木絢大、梅林太朗がそれぞれ1試合ずつのトレーニングマッチを行った。両者とも、幼少期からグレコローマンを専門とする相手にも関わらず、今後の可能性を感じさせる積極的な試合を展開した。

 女子に関しては、グレコローマンとは異なり、カデット代表、ジュニア代表、シニア代表が一緒にトレーニングを行っており、各世代の代表と合同にてトレーニングを行った。

 今回派遣した女子のタレントは、すでに同世代の世界トップレベルであるため、一つ上の世代の相手とトレーニングを行った。日本のトレーニングメニューとは異なり、ドリル練習やポジション別スパーリング、70%の力で行うスパーリングを中心に構成されていた。

 最終日に、田南部夢叶、須崎優衣、中村未優、五十嵐未帆、谷口由夏、奥野春菜、川井友香子の7名が1つ上の世代とそれぞれ2試合のトレーニングマッチを行った。全体的に相手が上の世代であっても、勝ち切れるだけの実力を持っているが、展開が固まるシーンやタックルの処理が遅れた際に失点する場面があり、今後の世界で勝ち続けていくためには、改善が必要だと考えられる。

【生理的指標を用いたコンディション教育】

 体重階級制競技であるレスリング競技において日常の激しいトレーニングに加え,多くの競技者が大会出場時に減量を行っている。特に海外において減量を行いながらコンディショニングを行い高いパフォーマンスを発揮することは,非常に難しいバランスが求められる。

 この観点より、客観的指標によるコンディションの数値化は,競技者に自身の体調への関心を持たせ,適切な減量方法やコンディショニングに関する知識を持たせる為、生理的指標を用いたコンディションの測定と日々のフィードバック及びカウンセリングを行った。

 参加タレントもコンディションに関する興味を持ち,食事内容や水分摂取、アクティブレストといった対応に気を配っていた。また、帰国時には、ほとんどのタレントが長時間の移動に伴うコンディション低下を避けるための行動をとっており、生理的指標を用いたコンディション教育に一定の成果があったと考えられる。
 

【個別ミーティング】

 本プログラム中、2回の個別ミーティングを実施した。内容は、海外育成プログラム評価シート(日々のコンディション、目標設定、目標達成度を日々評価するシート)を活用し、日々の目標達成度の確認に加え、技術的課題、体力的課題、精神的課題に関する議論を展開し、今後の目標設定と計画について共有を図った。

 カデット世代を対象とした海外育成プログラムは今回が初めての試みであった。今回派遣対象として選抜した11名以外にもカデット世代の優秀なタレントは多く存在する。今後はより多くのタレントに海外育成の機会を提供していくことが肝要となろう。

 本事業は、オリンピック競技大会において永続的にメダルを獲得できる強化・育成システムの構築を目指すものであり、文部科学省及び独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。

グレコシニア代表とのウェイトサーキットトレーニング

グレコカデット世代との合同トレーニング

トレーニングマッチにて世界カデット3位の選手に勝利する鈴木絢大

トレーニングマッチで戦う五十嵐未帆

トレーニングマッチ後のミーティング

個別ミーティング


 







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