(文・撮影=保高幸子)
昨年11月の全日本大学選手権の大学対抗得点で9年ぶりの優勝を遂げた日大の優勝祝賀会が3月6日、東京・明治記念館で行われ、同大学OBでもある日本協会の福田富昭会長ら協会関係者、大学関係者、OBらが集まり、9年ぶりの祝杯をあげた。
オープニングではマネージャーの河原崎諒さんが作成し、試合前日に皆で見て士気をあげたという「モチベーションDVD」を発表。今までの厳しい練習風景の写真や鼓舞する文言、当時のキャプテン池田智さんからのメッセージなどで構成され、闘志をみなぎらせる内容に見入っていた。
開会にあたり、藤森基司部長が「9年ぶり7度目の優勝、これは富山英明監督によれば奇跡の優勝とのことですが、なにより選手たちが頑張ってくれたのだと思います。また、コーチ、OB、OGの協力のおかげであり、その成果に他ならない。感謝しています」とあいさつ。
大塚吉兵衛学長は「ほとんどの階級でメダルを獲得したというのは、なかなかできないこと。思いはひとつという言葉が当日かなったのだと思う。東京オリンピックに一人でも多くの選手を輩出することを祈念します」とレスリング部メンバーの功績をねぎらうとともに、さらなる発展をと話した。
また、元スポーツドクターでレスリングにも携わっていた小松裕参議院議員は「大会などで関わり知ることとなったレスリングの素晴らしさを世の中にもっと活かすことを目指し、今国会でスポーツ庁法案を提出します」と報告。スポーツがさらなる発展をする機会を作ることで、これからも日大レスリング部を応援いたします」とした。
来賓としてあいさつした日本協会の福田会長は「私も日大出身。久しぶりに”日大優勝”の文字を見てうれしい。しかし、大会の前には『山梨学院大が優勝します』と富山監督から聞いていたので、終わって優勝報告の電話をもらった時は、あれ? 山梨じゃないのか、と思った」と冗談交じりに話し、笑いを誘った。まとめでは「新しい合宿所ができたタイミングで優勝できたのは素晴らしい。今後も連続して勝っていくことを期待します」と、チームの奮闘をたたえた。
富山監督は舞台に上がると、4日に亡くなった堀内岩雄さん(1963年世界王者、1964年東京オリンピック銅メダリスト)について「前監督であり、いろいろな相談をさせてもらった。レスリングとお酒をこよなく愛する人でしたから、この場に来たかっただろうと思います」と追悼した。
また、「本音を言うと、優勝は難しいと思っていた。奇跡の優勝です。しかも8階級中5階級で決勝に進み、2名が優勝、計7つのメダルを獲得しました。池田キャプテンが後輩を引っ張り、マネージャーの河原崎がしっかり女房役で支えた。負けてもいいから全力で闘うという思いとモチベーションDVDが士気を高めたと思う」と、皆で勝ち取った優勝を振り返り、「たぶん今年も、一致団結し、優勝してくれると思います」と締めくくった。