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2015.03.11

男子グレコローマンの全日本チームがハンガリー遠征から帰国

(文・撮影=増渕由気子)

 2月23日からハンガリーに遠征し、「ハンガリー・グランプリ」に出場した男子グレコローマンの全日本チームが3月10日、成田空港着のルフトハンザ航空機で帰国。同大会の59kg級で優勝し、日本チームで唯一表彰台に登った太田忍(日体大)が凱旋(がいせん)した。

 太田は、初戦の2回戦で1月の「デーブ・シュルツ国際大会」(米国)でテクニカルフォールで負けたミランベク・アイナグログ(カザフスタン)にフォール勝ちしてリベンジすると、3回戦で昨年の世界選手権3位のスティグ・アンドレ・ベルゲ(ノルウェー)に5-0で判定勝ちするなどして決勝へ進出。

 金メダルをかけた闘いでは、昨年の世界選手権5位でオリンピック2度出場のスペンサー・マンゴ(米国)と対戦し、8-0のテクニカルフォールで勝って優勝。昨年の銅メダルに続き、2大会連続で表彰台に立った。

■現行ルール、テスト・ルールのどちらでも勝てるようにした太田忍(日体大)

 今回、最大の注目は1月の「デーブ・シュルツ国際大会」でテスト施行されたルールで実施されるかどうかだったが、この大会はパーテール・ポジションありの現行ルールで行われた。テストルールを見据えて準備していた選手たちにとっては、少し拍子抜けした部分もあったようだが、太田は「どちらのルールでも勝てるようにしていた」と、スタンドでもグラウンドでも得点を稼いで優勝した。

 西口茂樹監督(拓大教=男子グレコローマン強化委員長)は、太田を「試合内容は素晴らしかった。アクロバティックな内容で、アメリカのコーチも『ニンジャレスリング』と賞賛していました。デーブ・シュルツ大会で負けた相手にもリベンジしましたし、世界選手権3位や5位の相手に堂々とした勝ち方ができました。成長したと思います」と絶賛した。

 試合内容は完ぺきだったが、実は太田は前半の合宿中盤に持病のぜん息を発症してしまい戦線離脱していた。「3日間ほど寝込んでしまいました。この遠征は練習をメーンに考えていたのに、それができませんでした」(太田)と振り返った。だが、そのぜん息が、太田にとっては、まさかの“けがの功名”となった。

 今回の遠征には、マルチサポート事業部の角一哲児氏が帯同していたため、ぜん息が出た状態でも体調を維持してトレーニングできるようにサポートをしてもらえた。さらに、「3日間、休んでいる間にビデオ研究を終日行って、対戦相手に勝つイメージができあがった」と、イメージトレーニングを十分に行えたことが快勝につながったようだ。

■太田忍の話「(昨年11月の)ブラジル・カップに続く国際大会優勝はうれしいです。スタンドで点数を取り、攻めてパッシーブを取ってグラウンド、という 自分の流れができました。テストルールでも今のルールでも、どちらでも勝てるようにしてきました。オリンピック選手もたくさんいましたが、普通に対戦すれ ば勝てると思いました。ビデオで研究し、相手が自分のレスリングをする前に自分の技を出して、ノルウェーの選手やアメリカの選手(マンゴ)を無失点で抑え られたのはよかったです。ビデオを見たことがない初顔合わせの選手との対戦の時が課題だと思いました。

 若手のホープである太田が昨年より順位を上げて優勝したが、太田以外の13選手で2勝以上したのは、同じ59kg級の文田健一郎(日体大)と、2012年ロンドン・オリンピック60kg級銅メダリストで66kg級に出場した松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)の2選手のみだった。

 西口監督は総評として、「今回のメンバーは、成績を残したいと焦っている選手が大半でした。迷っている選手が多いので、方向性さえ決めれば、十分に闘える選手たちだと思いました」と、手ごたえはつかんだ様子だった。

 2月のイラン遠征が中止となったため、男子グレコローマンの全日本チームにとっては今年初の海外遠征だった。中止当初は代替遠征も検討されたが、西口監督は「検討した結果、代替遠征は行わない予定。最初の強化プランが実行できなくて残念だが、仕方がない」と話した。

 今大会で最も注目されたのがグレコローマンのルール改正だったが、帯同した芦田隆治審判員(大阪・市立中央高教)からは、「90パーセント、ルールは変更される予定だが、残り10パーセントは、まだ検討中」という報告があったという。西口監督は「ルールがどうなるか分からない以上、手さぐりの状態が続く」と話し、情報が入り次第対応していく方針を示した。








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