メダル獲得選手の声…アジア選手権第２日
（５月７日、カタール・ドーハ、取材＝池田安佑美）
決勝で闘う入江ゆき（自衛隊）
４月から自衛隊体育学校に入校し、多くのサポートを受けて試合に臨むことができました。今後の課題は、自分のペースで相手を崩して攻撃に入れるようにすることです。６月の全日本選抜選手権で優勝して、世界選手権に行きたいです」
■男子フリースタイル74kg級２位・嶋田大育（青森市協会）＝昨年のアジア大会のメダル逸をはね返す銀メダル「銀メダルでおめでとうございます、と言われることには違和感があります。銅よりは銀のほうがいいと思うのですが、金メダルじゃないと駄目だな、と思います。大会前から金メダル目標としてやってきたので、２位でも３位でも一緒かなと思う。
戦術として、前半に相手をばてさせ、後半から勝負をかけた。去年のアジア大会に出場して、後半勝負という感覚になりました。けれども、前半にポイントを取らせすぎてしまい、（全試合を通じた）失点は合計29点。これは反省します。1回戦は、アジア大会の３位決定戦の相手だったので、いつもより緊張しましたが、リベンジできてよかったです」
銅メダルの鴨居正和（自衛隊）と高校時代の恩師の沖山功審判員
自分のレスリングをしっかりと確立していきたい。２回戦のイラン戦は、０－１で負けました。しっかり取り切れなかった自分が悪いのですが、やはり早いうちから展開して点を獲らないといけないと痛感しました。終盤で０－０などのロースコアだと勝てないです。試合時間は短いので、展開のある試合をしないといけないと思った。
嶋田選手は、前半負けていても後半がんがん攻めて、相手をばてさせて勝っている。このレスリングを見習いたいです。高校時代の恩師、沖山先生（功＝審判で帯同）と一緒の遠征で、メダルを獲れてよかった。次は、決勝の舞台に立ってみたいです」
■男子フリースタイル70kg級３位・小島豪臣（神奈川・中原養護学教）＝昨年のアジア大会に続く銅メダル「ウズベキスタン、インド…。去年のアジア大会と同じ顔合わせでした。やっぱり楽には勝てず、厳しく苦しい試合でした。
去年は週１度の練習しかできていませんでしたが、今年４月から法大のコーチとなり、練習は週３日ほどできるようになりました。一緒に練習しながら教えていて、練習の環境は以前に比べて整いましたが、（その環境になってから）１ヶ月でアジア選手権を迎えましたので、現時点では準備不足の部分もありました。
今年は2006年以来の世界選手権に出場することに照準を定めたい。体重は70kg級で目指したいです。今31歳ですが、まだ闘っていけるな、と思う。学生たちと日々練習して、世界選手権に向けて体を作っていきたいです」
■男子フリースタイル97kg級３位・山口剛（ブシロード）＝２年ぶりのアジア選手権でメダル獲得「やっと勝てました！ アジア選手権のメダルは初めてです。オリンピックの予選で闘うと予想される相手に勝てたのがうれしい。これまでは、接戦まではできるけど勝ち切ることができず、悔しい思いをした。いい試合をしても追いつけなかったり…。
準決勝のイラン戦は、ある程度やりあえるとは分かっていた。投げ技がきれいに決まりすぎて自分が驚いてしまった。グレコローマンの選手と練習して、投げ技などをも磨いてきましたが、その技が思うようにかかってびっくりしました。
３位決定戦（カザフスタン）の残り30秒はハイクラッチを何度も見せて、餌（えさ）をまいて、最後は自分の得意な形でテークダウンを取ることができた。計算通りです。カザフスタンのような選手に勝てて、オリンピックに向けてステップアップになった。全日本選抜選手権、世界選手権に向けてしっかりやっていきたい。今回で自信がついたので、今年の世界選手権で５位以内を目指したいです」
